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目黒蓮は止まらない。トリリオンゲーム所感


今風は、確実にこの人に吹いている。

silentや私の幸せな結婚に引き続き、目黒蓮旋風は留まるところを知らない。

今回の彼の役は、一歩間違えれば共感性羞恥の嵐、あるいは原作ファンからの袋叩き、そんな際どい役どころだった。

しかし、いざ放送されてみると原作ファンからの評価も好印象。まさにハッタリを現実にさせるハルのように、この目黒という男も何でもやり遂げてしまうのだ。

特に、桐姫から中国語とフランス語で挑発を受けたシーン。笑顔から眼鏡を外し、伏し目からひとつ瞬きをして顔をあげたあの描写。ビルのガラス窓にロードマップを書き上げ、桐姫に"I'll take you all."とラブコールを記したとき、じっと見つめてからニヤッと微笑むまでの間合い、そして視線。一瞬にして、文字通り観る側の全てを奪っていき、虜になってしまった。

計算高いくせに歯止めが効かない破天荒さ。無邪気で人懐っこい笑顔と愛嬌。かと思えば、不意を突いてくる不敵な笑み。

何を考えているのか分からないその笑みは、目黒蓮とシンクロするものがあるし何度見返しても思わずゾクッとなるほど完全に役を憑依させていた。

2作連続で原作実写であり、かつここまでブームが起き露出回数が増えると、アイドルグループに所属している以上やはり賛否両論生まれるのは致し方ない。


ただ、色んな声色んな声をねじ伏せるだけの努力とスター性。彼にはそれがあるのだ。

それに、賛否論争が起きるということは、それだけ彼が世間から注目を集めているということだ。
苦節10年のJr時代を過ごしてきた当時の彼は、まず脚光を浴びるなんてことさえなかったのだ。

彼のイメージとは真逆だ、という意見が目立ったが、きっとあれこそが目黒蓮の性根というか"本質"なんだろうなと感じた。

世界一のワガママ男。目黒蓮演じる陽を見てると、ガクが陽に感じたそれじゃないけど、ドラマを超えて現実世界でも、彼はこのまま全てを掌握してしまえそうなほど不敵な笑み。

「アイドル」の歌詞はまんま目黒蓮のことを
「欲張りな」

不敵なその笑みは、まさに勢いの止まらない目黒蓮の真の姿を表すかのように

天王寺陽が、そして目黒蓮がYOASOBIの『アイドル』像とシンクロする。目黒蓮が天王寺陽にハマり役なのにも納得してしまう。

「この人なら、本当に何でもやり遂げてしまう気がする」
といった、ガクがハルに見た頼もしさや運をも味方につけてしまう姿が、今日まで目黒とシンクロしてならなかった。

最近の彼を見ていると、明らかに以前とは違う。
SnowManでのパフォーマンス、バラエティでの立ち回り、モデルとしての表情。ああ、自信がついたんだなとすぐに分かるほど、彼の映り方は見違えるほど変わった。

きっと「自信のある自分」を憑依させて振舞っているうちに、本当にそうなって、その眩しさに運も縁も引き寄せてられてきたんだろう。


ハルが頻繁に口にするこのセリフ。

「俺らのワガママは世界一だ」


スケールは違うけど、「自分はこうしたい」「これが欲しい」と声をあげていいんだ。
現状じゃ程遠い、理想と現実のギャップがあまりにも大きすぎて、描くことさえ烏滸がましいかもしれないような夢も、自分に「絶対なれる」とハッタリをかけて今を懸命に生きているうちに、本当にそうなるのかもしれない。

それは目黒自身もそうだった。Jr時代から『夢ノート』に自分の心の底から叶えたい夢を書き留め、その全てを一つひとつ着実に叶えてきている。そんな目黒自身の実体験があるからこそ、演じるハルにも一層魂が宿り、そこに妙な説得力と威厳が感じられる。

夢のためにきっと何でもしてきたんだろう。声を上げて、それに見合う努力をして。ハルの奥にそんな目黒が垣間見えて眩しくて、それでいて畏怖心さえ視聴者に抱かせてしまう。


叶えている人は、欲しいものをちゃんと「欲しい」って言ってる。欲深くて良いんだ。


そんな夢を見させてくれるハルと目黒蓮が彩る夏の華金。まだまだワクワクさせてくれそうだ。

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