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好きな映画「俺たちは天使じゃない」

 はい、わたしの好きな映画を備忘録がてら共有するシリーズです。こちらの作品俺たちは天使じゃない(We're No Angels)については旧バージョンがあるのですが、フェイバリットはニール・ジョーダンが監督を務める、ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、デミ・ムーアという豪華キャスティングをアテンドした作品です。

 いわゆるクライム(犯罪)・ムービーに属するとは思うのですが、もう、その展開はピュアネス。
 舞台は1930年代のアメリカでカナダ国境近く。犯罪者が越境で法的な免罪を得るのに、南のメキシコではなく北限のカナダなあたりにしている設定がいいんですよ。
 キャスティングについてはショーン・ペン演じる「ジム」が特によくて、これでかなりディープめに彼のファンになりました。

 ストーリーとしては脱獄囚(意図せずにそうなってしまった)が、聖職者と間違われ、そのあるべき職務に沿った振る舞いをせざるを得なくなった中で、本来の人間の姿を取り戻していくというハート・ウォーミングなお話です。

 ちょっと逸れますが、重要なファクターとして、別作品でショーン・ペンが主演した「デッドマン・ウォーキング(死刑囚がそろそろ逝くで~:意訳)」というものがあって、こちらも、主役のショーン・ペンがピュアネスかつ矮小な悪人で(最後は死刑)、ものすごく出自というか教育というか教養を得られる機会があるかどうかが社会的にも波及するものだなあと、深く考えさせられるものでした。

 閑話休題ということで戻りますが、「俺たちは天使じゃない」のショーン・ペンもひたすらにピュアネスを発揮していました。
 出自、囲まれた、あるいは逃れられない、逃れようとする概念(知性・教養)もない環境ゆえに、犯罪者になり収監に陥るわけなのですが、幸いにも(あるいは祝福を得ていた?)、そのピュアネスは性悪説をもってしてダークサイドに天秤が傾いていたものの、意図せぬ脱獄と、神の導きらしきものを認識して、善性を得ます

 あんまり多くを語ってもネタバレになるので忌避したいところですが、与えられた環境、与える環境、を考える機会を得られた貴重な作品だと思います。

ひとが環境しだいでダークサイドにもライトサイドにも天秤が傾くのであれば、ほどよくライトに寄せるような社会を目指せればいいのにな、と思わせてくれた作品です。教養、超だいじ。ベストエフォートな判断力を得るのだいじ。生きるのも、よりよく生きるのも、生を受けた以上はちょっと思考を巡らせてみたほうがいいのかもしれません

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