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1月読書感想文:ネバーランド/藤野千夜先生

友達と恋バナをしてたとき、彼氏の悩みを相談されたとする。
「半同棲状態で、いつも夕食どきにきて、特に食事の手伝いもせず食べてゴロゴロし、後片付けもしない」
ーうんうん。せめてお皿くらいは洗ってほしいね。
「しかも買いだめしてたおやつや発泡酒を勝手に飲んで、そのお金も払ってくれない」
ーうんうん。
「それで、まだ前の彼女と別れずに曖昧な関係で二股されてるんだ」
…いやいや、そんなダメ男別れたら?
「でも彼にもいいとこあるし、優しいし、別れるほどでは…」

という会話を会うたびに聞かされる、そんな本です。こちらの「ネバーランド/藤野千夜」

主人公のミサはS町に引っ越して6年。親所有のマンションで作家の仕事をこなして日々暮らしている。なぜネバーランドかというと、それはミサの家があるエピソードからそう呼ばれるようになるくらい、皆の溜まり場として居心地が良い部屋だから。
ミサはよく友人を家に招く。色々企画して、入れ代わり立ち代わり友人が遊びにくるのだが、恋人の隆文と出会いもその企画の1つである「秋鮭をまるまる一本食べる会」
ミサの知人の会社の後輩という立場できた隆文の好青年っぷりに一目惚れするが、隆文には同棲している彼女がいるらしい。それを聞いてあっさり諦め、友達の一人としてまた次も参加してね~と誘うと、嬉しそうにそれから何にでも参加してくる。なんやかんやあり付き合うことになったけど、彼はいわゆるダメンズで…。

あらすじだけ聞くと、暗くて悲しい感じかな?ってなりますが、そんなことないです。
春の14:00ごろ、ポカポカした陽気で縁側で日向ぼっこしてるようなあたたかい文章。
隆文の駄目なところに反発したくなるけど、軽快で面白い文章でテンポよく読み進むことができます。

ただ、何回そんな彼氏別れたら?もっと良い人がいるよ!と思ったことか(笑)
まぁ悪いところだけじゃないのも分かるけど。
二股されてるという事実だけで、私は絶対無理なのでもどかしい気持ちで、応援しながら読んでました。

恋愛の反面、友達との集まりの話が多いのもこの本の読みごたえのあるところ。
今は集まりにくいけど、こうやってワイワイしてたなーって。大学時代、下宿組のアパートに集まって、朝までボードゲームや飲み会をしていたのを思い出しました。早く気がねに友達と集まれる世界に戻ってほしいなぁ。

人によってはミサと同じ状況だったり、隆文かもしれないし、ミサに相談される友人の立場かもしれません。
どんな立場から読んでも、楽しく読むことができると思うのでおすすめです!

私の拙い文章で興味をもっていただけたら幸いです。
それでは~

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