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からあげくんを買わなくちゃ

緊急辞退宣言が全面解除された。といっても、今、身を寄せている実家(群馬)では既に解除済だし、マスク文化も薄れつつある(いいの?)ので日常にさして変わりはない。週末に帰郷を控えて少しセンチメンタルになっているくらい。

おおよそ2ヶ月の長いグンマー生活を経て、毎朝通う徒歩5分のLAWSONの店員さんと少しだけ仲良くなった。元々彼女へ勝手に好印象を抱いていた。慢心ムード漂う店内で生真面目にマスクをつけ、意識して距離を取り、恐らくSVからの通達であろうオペレーションを徹底して守っていた。それが故に他のちゃきちゃきしたおばさま店員と比べると対応が遅くて、時々怒られて、それでもまた生真面目に接客を続ける不器用な彼女が好きだった。

私は毎朝、カップのカフェラテを買って仕事へ行くのだけど、ある日の購入後、カフェラテのミルクマシーンが壊れていた。どうすっかなーと思いながら彼女に助けを求めた。悪戦苦闘してくれたものの直る気配はないので同額のコーヒーに変えさせてください、と声をかけた。彼女はひどく困惑し混乱した。そうだよね、イレギュラーなことを言ってごめんなさい、と思いながら反応を待っていた。どうしようどうしようと言いながらも、意を決したかのように「ではすみません、コーヒーでお願いします」と回答してくれた。少ないけれど後ろに列も出来ていたので、このときはああよかったくらいにしか思わなかったのだけど、翌日またカフェラテを買いにいったら彼女が居て「昨日はすみませんでした。お礼にこれ」と言ってからあげくんの割引クーポンのレシートをくれた。なんだか分からないけれど偉い嬉しかった。彼女の心配りも、その心配りが少しだけズレているチャーミングさも。

この日から毎朝ひと言ふた言会話をするようになった。大した話ではないけれど個人的にはとてもいい時間だった。今朝もマスク着用で律儀に極力触れない接客をしている彼女に「今週末に東京帰るんですよ〜」とのんきに話しかけたら、「じゃあこれを」と言ってからあげくんの割引レシートを差し出してくれた。帰るまでにからあげくん絶対買わなきゃな、と決意しながら、あれ?あの子営業力高くない?と振り返って、尊敬してまた仕事につく。

毎朝良い時間をありがとうでした!

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