特別イベント@『赤毛のアン』著者の家


★すっかり晩秋のオンタリオ州トロント郊外リースクデールの牧師館

 10月下旬、紅葉の見頃も過ぎた晩秋のカナダ・オンタリオ州。トロント郊外にある L.M.モンゴメリ協会が、2023年シーズン最後のイベントをするという。初雪の便りも聞かれる、寒いオンタリオ、「オンライン参加」の文字が脳裏をよぎったが、やっぱり行くことになった。

★当日の日程表。結構盛りだくさんだった


なりきりインタビュー

 珍しく夫が行きたがったイベントは、作家でジャーナリストのテッド・バリス氏とモンゴメリを演じる女優ジェニファー・キャロルさんとの対談。キャロルさんは、母君が「アン」シリーズの大ファンで、ご本人もモンゴメリの研究者。更には役者になって長らくモンゴメリを演じている。2023年シーズン中の催し物は、キャロルさんの演劇だった。

 そんなキャロルさんがルーシー・モンゴメリになりきり、バリス氏があれこれと聞いていくというものだった。モンゴメリがリースクデールに住んでいた頃と現代とを照らし合わせつつ、様々なことをバリス氏が聞いていく。

 いつから小説を書こうと思ったのか、リースクデールに初めて来た時の印象、牧師の妻としての忙しい日々、執筆活動などなど。便利なものが多くあの現代ならどう対処していくか、タイプ打ちが嫌いな彼女には、今の電子メールなどは頭痛のタネだったりするのかもしれない、などなど。

   ★キャロルさんは、服装も当時のものを再現している
   ★なりきりモンゴメリ女優、ジェニファー・キャロルさん


「a」が「e」で「e」が「a」?

 モンゴメリは、結婚後も夫の苗字ではなく旧姓「Montgomery」を名乗っていた。夫君の名は、「ユアン・マクドナルド(Ewan Macdonald)」。

 スコットランドやアイルランド系の人たちは、苗字のマクドナルド(Mcdonald)「M」の後に「a」を入れるのを知っている。しかし、夫君の「ユアン・マクドナルド」、苗字と名前ともに「a」なのか「e」なのか、あれこれとサーチした人の発表を聞いた。

 ユアン本人もモンゴメリも、苗字だけでなく名前までも、「a」だったり「e」だったりしてややこしい。

 ふと、墓石に刻まれた名前は何だろう?と思って、夏に撮った写真を探してみたら…。 

 ★最初の行には「Ewen」、下から2行目は「Ewan」と刻まれている

 ふ〜ん。で、結局どっちなのさ?(笑)


展示物の刷新

 今回のイベントに含まれていた他の重要事項の一つは、教会の1階ホール展示スペースの模様替え。壁の展示パネルを新しく作り、より「博物館」らしいものにしたいという強い協会側の意向が伺える。
 壁中に新しいパネルが掲げられ、モンゴメリの子孫家族も招待されての「リボンカット」となった。

 今日はゆっくり読んでいる時間がなかったので、来シーズンのお楽しみということにしよう。

★最初の一枚をお披露目の後、記念撮影
★モンゴメリの幼少期からをカバーする内容らしい
 ★右から3人目が、パネル制作担当者


教会と牧師館の補修、今後に向けて

 これまでモンゴメリ協会は、牧師館を購入、教会を購入と、積極的に活動してきたそうだ。保護・補修のためとはいえ、負債はどんどん大きくなっていったのだろう。しかし、さまざまな資金集めをし、募金活動で両方の建物を修復しつつ、借入も既に完済しているそうだ。そして家屋の修復はいよいよ、教会のステンドグラス最後の1枚を入れるのみ、というところまできているらしい。

 今にも崩れ落ちそうな廃屋に近い家を買い、住めるような良い状態にまでの修復となると、新築物件を購入するよりお金がかかるだろうに。

 そろそろ終わる家と教会の修復後の次なる計画は、駐車場の整備だとの発表があった。教会隣の土地は既にモンゴメリ協会に寄付されており、造成する計画があるらしい。古い牧師館の修復ほどではないにしても、これはかなりの出費が必要になりそうだ。

 そういう訳で、イベント行事の一つとして、今年のチャリティー活動開始が発表された。

   ★会計担当者に、寄付金(小切手)が渡された


チャリティーランチ

 教会の硬い長椅子で坐骨を痛め(とほほ…)、もたもたと歩いて階下のホールへ移動すると、既にほとんどの席が埋まっているではないの。この日のランチ・メニューは、ラザニアとシーザーサラダ。カフェテリア方式で、先にお皿によそってもらってから自分で運んで着席した。部屋の一番奥、同年代の人たちの隣。夫婦で参加している彼らは、割と近所に住んでいる支援者とのこと。こうした食べ物系チャリティイベントは、とても人気なのだそうだ。

 しばらくしたら、なんとメインイベント講演者のバリス氏が、私の左隣に着席。ご本人と同席できるとは、なんとラッキーな日だろう。私たち6人、あれこれと話が弾むランチタイムだった。バリス氏は取材で世界中を飛び回り、人々をインタビューしているジャーナリスト。話題が豊富で、機知に富んでいる。オンライン参加にしなくて、本当に良かった!

 今回は男性参加者も多く、モンゴメリ協会の支援者が女性だけではないのが分かって嬉しかった。   

   ★写真撮影にも快く応じてくださったバリーさん
   ★バリーさんの著書(後ろ)。手前は新刊の案内カード


そしていつものお買い物

 更なる坐骨痛大増幅の「モンゴメリゆかりの地」バスツアーの後は、お約束のショッピングタイム。教会下ホールの展示物は新しくなったが、お土産コーナーは健在だった。今回の購入品は、牧師館改修工事の様子を綴った写真冊子『A Home of Her Own』。モンゴメリ協会の修復努力の過程が綴られている。

 絵葉書やマグカップは売り切れていたが、新しいグリーティングカードと可愛いメモがあったので迷わず購入。こうした私の小さい散財が、教会や牧師館の維持・修復に役立つのが嬉しい。
 来年、シーズンが始まる頃には、もっと新しい品々が届いていることだろう。
 春に会いましょう!

★こんなに買ってどうすんの? というグリーティングカードの数だが


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ふとした思いつき 

 現在、修復作業が予定されているのは、教会南側のステンドグラス窓で、しかも最後の1つ。
 これを例えば、『赤毛のアン』&モンゴメリの日本人ファンからの募金で賄えたらすごいんじゃない? 窓の下に「日本人ファンからの募金による」な〜んて表示プレートが添えられるかも? と、勝手に想像するだけで楽しくなる。

★ステンドグラスの入っていない、最後の窓

連絡先URL:https://lucymaudmontgomery.ca/l-m-m-s-o/donations/

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(11月13日現在、対カナダドル為替レートは日本円で109円程度でした)

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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