グラスオニオンは超名作

ナイブズアウトグラスオニオンマジで評価クソ高い理由は見れば分かるんだけど映画よく見る層の間でしか話題に上がってないのは残念だ。

名探偵といえば事件を解決しその後は警察に任せる。
この流れも探偵物の定番で前回に引き続き今回もまたそれが強調された作りになってた。マジで神。


俺はバカだから言葉で表す時に上手く表せないのでこうやって文章で面白さを伝えてるんだけど、今回ばかりは文章ですら頭が整理できないぐらいに興奮してる。めっちゃくちゃオモロい。
なんでこれがネトフリでしか見れないんだ。
日本の映画館でやってたら公開日に見に行くレベル。もっと金稼げるよ。

このシリーズ、ライアン・ジョンソン監督が手掛けてるシリーズなんだけどライアン・ジョンソンといえばスターウォーズ/最後のジェダイでドン引きしてしまうぐらい世界中から叩かれてしまったあの監督。

最後のジェダイで叩かれてしまったライアンジョンソンが今までの紆余曲折ある中で、ここに来て好きでやってる映画というものを見せられたようなそんな作品。
グラスオニオンはナイブズアウトシリーズの2作目なんだけど1作目は前回の記事で書いたようにちょっと穿ってるけど王道の推理で王道の犯人が居るという見ていて安心出来る。
安心というか『だよなだよな〜!これこれ〜!!』ってミステリー好きが楽しくなる作品。
今回見たグラスオニオンはその1作目を見た後に見ると『うわやられた!!』ってなるんだよ。
1作目というかミステリーの固定概念ボンッみたいなどんでん返し!
でもちゃんと最後には『だよなだよな〜!これこれ〜!!』という気分になれる。

何故か今興奮しすぎて何故こんな風になってるか分からんけどマジでこの脚本はすごい。


グラスオニオンの象徴として破壊と古典というテーマがあるんだけど、これが最初から最後までギャグやシリアスでポンポン入っていく。
まず冒頭からに全然紹介されない謎のなんか凄そうな人物達に更に謎の人物から手の込んだらナゾナゾカラクリ箱が送られてきて、
その謎を最初に解くのがなんか凄そうな人達なのかと思ったらその中の筋肉バカっぽいキャラクターの母ちゃんなんだよね。

この母ちゃんがめっちゃくちゃ頭いいの!
このなぞなぞ早解きババアがめっちゃオモロい。もっと出て欲しいぐらい。
もうこれが古典ババアのシナリオ破壊だよね。オモロ。
なんでこんなぽっと出の天才ババアがなんか凄そうな奴ら差し置いて解いちゃうんだよwwwってなる。

招待状が届くその道のスペシャリスト達が解くんじゃねーのかよ!って。
んでまぁその箱を皆で通話しながら開けてくんだけど、ここもなんか重要そうな所は結局その周辺にいたやつがヒント出したりとかで開けてくわけ。
全然活躍しないのスペシャリスト達が!
まぁここまでは色々映像演出やら音楽やらあってメッセージ性の強いギャグやな〜って感じなんだけど、この後俺はゾッとしたのね。

うわやられた!って。


それぞれ通話しつつキャッキャしながら箱開けていく中で、1人だけ通話に参加しないで静かにその箱を眺めてなんかバールみたいな棒で箱ぶっ叩いて開けちゃう女性が出てくるの。

謎解きにワクワクしながらこのシーン見てる視聴者はここで『あっそうか、別に箱の中身が気になるならわざわざ謎解きしなくても壊して開けちゃえばいいんだ』って気づく。
そう、ミステリー見てる時に冷やかしでツッコむアレ。
アレをこの作品は至る所でメタってる。


この謎箱を送った大富豪が何故こんな謎を作れるのか。
答え『金の力に任せて外注したからです。』
とか
大富豪のクソデカ大豪邸島をどうやって管理してるのか。
答え『めっちゃお手伝いさん雇ってるけどこの期間だけ1人になってます。』
とか
金があるだけのバカでそれを玉ねぎみたいに薄皮何枚も重ねた事で大物に見せかけてる。

後先述したお手伝いさんが金持ち島の唯一の使用人なのにパッパラパーなのもめっちゃオモロい癖強すぎだろ。
クローズドサークルと思ったらめっちゃwifi飛んでるし。ウケる。


バカと天才は紙一重とはよく言ったもので、主人公のAmong Usがめちゃくちゃ弱い名探偵ブノワや、その助手となる酒の勢いで暴れまくって結果を残していくヘレン、さっき話した外注玉ねぎ大富豪のマイルズ等、天才なのかバカなのか。
一体こいつらなんなのかって考えながら見ていくと途中途中で時報の鐘がなったり武器持った像が映ったりミステリーあるあるがどんどん出てきてそこも気にしながら見ていくんだけど、途中で『こういうミステリーあるあるとか実はどうでもいいんだぜ』って言われてる気分になる。
でもやっぱりそのミステリーあるあるが重要な展開だったりするから俺は『おい!どの情報を取り捨て選択していきゃいいんだよ!!』って気分なっていく。

色んなブラフを混ぜこみながらミステリーオタクに目を覚まさすような、古き良きミステリー作品の到来を告げる夢を見せるような、そんな矛盾が上手く合体した光と闇が両方備わり最強に見えるブロントさん映画。

キャスト陣がMCU作品に出ている人が多いのもこの作品の目玉だったりすんだけどデューク役のデイヴバウディスタが『アッセンブル!』って言うシーンとかダサすぎて笑っちゃったりとかそういう俳優メタ笑いもある。MCU好きならマジでオススメ。


途中で有名絵画のモナリザが出てきてこのモナリザがグラスオニオンの重要なキーワードになるんだけど、それは別にミステリーとしてのキーワードではなく、
グラスオニオンという作品としての『古典』と『破壊』という大きなテーマとして印象深く描かれてて。
ライアンジョンソン監督はアガサ・クリスティが大好きという事で、ライアンジョンソンにとってのモナリザをリスペクトしながらぶっ壊していく。
少なくともグラスオニオンで扱われているモナリザに俺はそういうメッセージ性を感じた。

これはライアンジョンソンがスターウォーズでやった事と同じでスターウォーズリスペクトしてるけどぶっ壊さないといけない。
スターウォーズっていうめちゃくちゃ美味い高級玉ねぎの薄皮剥いて食える所出してあげないといけない。ってそういうスタンスで作ったけど『剥きすぎて食うとこないやんけボケ!!』って怒られちゃった。
今回のグラスオニオンは透明なガラスの玉ねぎで剥きたいだけ剥いたったでどうやこれ食えると思ったろこれ実は美術品です。バカどもがよ!!オモロいやろ!!!みたいな。
はいオモロいです!!!って言うしかないじゃんこんなん。

なんか、故きを温ねて新しきを知るって感じる作品だった。


ついでなんだけどグラスオニオンってイギリスでは単眼鏡のスラングとしても使われるらしい探偵っぽいね。
全然関係無い話だけどダブルミーニングになってんだと思うわ。スゲェ〜。

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