葡萄ジュースから滴る愚痴
駅の一角の仰々しい箱に
ぎゅぎゅっとつめ込まれたが最後
身動きが取れず
寂しい季節がやってくる
白くかじかんだ指が
迷いながら
おれの前を通り過ぎて
隣の隣にあるコーンポタージュの
ボタンをピッと押した
ガランガランガコッ。
空しい音が響き渡る
やっぱそうだよなあ
夏は威張れるのだけど
それでも 蜜柑や林檎の次
三番手という自覚はあるのだけど
冬は特に心寂しいものだ
それに近頃は 同じ駅構内に
ジューサーで作った
巨峰丸ごと搾りたてなどという
洒落た輩がいるもので
おれは益々相手にされていない
――よう、おい、そこの
おれを買ってくれい
そして飲んでくれい
……後悔は、させねえぜ?
ハマショーの『MONEY』がすきです。