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亀梨派だったか赤西派だったか問題

世がいかなる変化を遂げようとも、派閥争いは絶えない。戦国時代どの軍についたかで辿る運命はまるで異なり、その選択が命取りになった。
平成の世に生まれ落ちた私であるが、令和も3年が経ち、ここらで解決しておかなければならない問題が浮上してきた。
前回は見事解決済み。


第2回目の議題はずばり、学生時代自分は【亀梨派だったか赤西派だったか問題】である。
おそらく初めは亀梨だったと思う。いや待てよ、赤西だ。ウタワラという番組を見ていた。あの時は嵐の松潤が今ではあまり想像がつかぬナルシストキャラであった。表参道かどこかのショーウィンドウに自分の姿を映し格好をつけていたのを赤西に目撃されいじられる。
その構図がパターン化していておもしろかった。
ウタワラはダンスバトルが多くなり番組自体はいまいちになっていくのだが、KAT-TUNの人気は鰻登りだった。6人で「Real Face」でデビューした時(ジャケットは6パターンあった)、本当に漫画から飛び出してきたようだった。あの勢い、悪そうな雰囲気とギリギリで生きている感じ。特に赤西は歌が上手かった。低音、巻き舌、声に厚みがあった。
よく帽子を被るようになったのはいつからだろう。つばが目深になっていくごとに彼の存在が遠くなり掴みきれなくなっていった。Jr.の時の映像を見ると元気かつアホでお茶目な姿に驚く。人は変わるのか、変えたのは誰か。ともあれ「anego」の赤西は破茶滅茶に格好よかった。
ここまでをまとめるといかにも赤西派な私だ。

否、ほかのドラマを忘れてはいけない。デビュー前の「ごくせん」は2人ともよかった。また「野ブタ。をプロデュース」は無論修二派であった。「野ブタパワー注入!」と「バイバイセコー」をよく真似た。亀梨のソロ曲「絆」は今でもそらで歌える。赤西とツインボーカルを務めていた亀梨の声は線が細いながら艶かしさがあった。着物でLIVEパフォーマンスをしたソロ曲「1582」は最高以外の何物でもない。何より、文章の都合上亀梨と書いてしまっているが普段は亀ちゃんと呼んでいる。そして毎週金曜ニッポン放送のラジオを聴いていた。今ほどラジオを聴く習慣がなかったにも関わらず、である。おい、お主確実に亀梨派ではないか。

しかし忘れてはいけないのが「有閑倶楽部」の存在である。お金持ちの美男美女6人による生徒会であり、富豪・裏社会・幽霊等を相手に事件を解決する物語。主演は松竹梅魅録役の赤西。
このドラマにハマった私は、将来子どもができた時には魅録と名付けようと決めていたし(デジャヴ?)、魅録の携帯の着信音を調べて曲を取り込んだり、チュッパチャプスを舐めまくったり、実家の車は赤色がいいと言い張ったりした。勿論漫画も購入した。

その後、時を経て「ヤマトナデシコ七変化」というドラマがあった。ハートロック城が舞台の、骸骨好きで暗い女の子がイケメンたちと暮らしながら素敵なレディを目指していくという乙女半殺しキュンキュン爆発夢物語である。このドラマにハマった私は、土砂降りの雨の中遠くの本屋まで歩いて公式ブックを買いに行った。懐かしい思い出だ。主題歌「Love yourself 〜君が嫌いな君が好き〜」は残念ながら、6人で歌った最後のシングル曲となった。ちなみに、勿論漫画も購入した。

グラグラと2人の間を揺れ動く罪な女である。KAT-TUNのLIVE見たさにファンクラブYOU &Jに入りながらも、6人揃った姿を生で見ることはついぞなかった。
私とKAT-TUNの思い出はこの「ヤマトナデシコ七変化」で途切れている。
他にも「サプリ」「たったひとつの恋」をはじめ、出ているドラマはほぼ全部見たし(やっぱり亀梨派?)「Real Face」の格好いい舌打ちを何回も練習したし、「SIGNAL」のチキチキアーというフレーズをどういう順番で誰が言ってるのか推測したり、「SIX SENSES」のLIVE映像を見まくったりした。
今もKAT-TUNの曲を聴くと、大人とか職業とかアイドルとか芸能人とか色々なしがらみを全く考えずきらきらした目で見つめていたあの頃の気持ちに戻れる。成長とともに裏側が見えてきたり大変さを理解しようとしたり、厄介な雑念が邪魔をする。きらきらをそのまま享受していた小さな頃がおそらく一番ファンといえた。

KAT-TUNは24時間テレビの司会もしていた。ロケの中で、田中が少年とお風呂に入っていたシーンをなぜか鮮明に覚えている。その時かけていた言葉も。明記はしないが、だから優しいという印象を持っている。
そういえば「特急田中3号」というドラマも見ていたな……。今や見た目も喋り方も、あれ?こんなんだったっけ、という感じである。やはり人は変わるのか。こちらの見方が変わったのか。今が素っ裸の状態なのか。

タレント。俳優。ミュージシャン。芸人。自分の好きなものに対して自分の理想を当て嵌め過ぎるのは危険な行為だ、とファン同士で言い争う場面をたまに目にする。けれどアイドルはそれができる唯一の存在かもしれないと思う。時代の流れによりそれも崩れつつあるが、きらきらを背負って立つ彼・彼女らゆえ格好よく神聖なのだろう。そして、だからこそ期限付きなのだろう。

結論:KAT-TUNは神だった。そして田中はたぶんいい人だった。

ハマショーの『MONEY』がすきです。