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汝の隣人を完封せよ

たまにはちゃんと続きを書きます。ごらんのすですこんにちは。

というわけで、本エントリは回避とガードと会心の話の続きになります。
前回のエントリを未読の方は、こちらからどうぞ。

前回は回避とガードと会心の関係について述べてきました。なるほど論理はわかった。しかしこれをどのように活用すればいいのでしょうか。
というわけで、今回はこれらをもとに耐久をどうやって割り振ればいいのか、というお話です。

他ゲーに学ぶ

さて、ちょっと別ゲームの話から始めます。
私が昔よく遊んでいたゲームのひとつに、マジック:ザ・ギャザリング(以下「MTG」)というものがあります。
ちなみに初めて買ったパックはエクソダス。レアは裏切り者の都が出たことを覚えてます。当時は基本地形の調達すらままならなかったので、弱い言いながらスリーブにも入れずにボロボロになるまで使ってましたね。

MTGをよく知らない諸君のために説明すると、MTGはトレーディングカードゲームのひとつとなります。非常にたくさんの種類のカードから、いくつかのカードを組みあわせてデッキを作り、そのデッキで対戦相手と戦うゲームです。どんなカードを用いてデッキを組むかといったデッキ構築も、このゲームの醍醐味のひとつだったりします。
デッキに入れるカードとして、強そうなカードを単に寄せ集める戦略もあるにはあります。ですが、やはりデッキに含めるカードの方向性がある程度定まっていないと、強いデッキとなりません。
大雑把に言えば「攻撃的なデッキ」「防御的なデッキ」といったかたちで、デッキごとにスタイルが変わってくるわけです。
このへんはアッシュテイルにも通じるところがありますね。

さて、トレーディングカードゲームの性質上、いまでも数ヶ月おきに新しいセットが発売されます。その度に既存のデッキがアップデートされたり、全く新しいデッキが登場したりします。
では、新しいセットが発売された直後に活躍するのは「攻撃的なデッキ」でしょうか? それとも「防御的なデッキ」でしょうか?

MTGでは多くの場合、新しいセット発売直後に活躍するのは攻撃的なデッキとなります。
その後おおよそ1〜2週間ぐらいすると、徐々に防御的なデッキも勝ち始めるのがおおまかな図式となるわけです。

このような図式となるのは、きちんと理由があります。
新セット発売直後は新しいカードも多数登場し、色々な戦略が入り乱れている状態です。
「守り」というのは、言い換えれば攻め筋をつぶすこと。攻め筋が多岐にわたって絞れない場合、考えられる攻め筋が多すぎるため、守りは手広く構える他ありません。
「手広く」といえば聞こえはいいですが、当然個々に対する備えは薄くなります。攻撃側はそのような防御側の事情なぞ知ったことなく、自身の最も得意とする攻めを集中して貫いてくるのです。
そのため、新セット発売直後においては、防御側は分が悪い戦いを強いられます。

これが1〜2週間すると「勝つデッキ」がある程度はっきりし、環境に存在する攻め筋が絞られてきます。
防御側のデッキも、「勝つデッキ」の攻め筋をつぶすようにチューニングされてくるため、結果を残しやすくなるわけです。

なにが言いたいかというと、適切な守りを考えるためには、考えられる攻め筋をある程度明確にしないといけないということ。
これはどんなゲームにでも当てはまる原則ですね。攻めがあるから守りがある。攻めの性質を知らないで、守りができる道理はないのです。
守りってのは難しいんだなぁ。

守りの沙汰も、相手次第

話をアッシュテイルに戻します。
たとえば、耐久の人が回避率とガード率をそれぞれ100%まで上げたとします。
さて、この耐久ステは十分なのでしょうか? それとも不十分なのでしょうか?
以下の2つのケースで考えてみます。

ひとつめのケースは、命中率50%の人に殴られた場合。
この場合は補正回避率と補正ガード率がそれぞれ50%ずつ残ります。すなわち、すべての攻撃は回避かガードのどちらかになるわけです。
耐久ステとしてはこの上ない結果。満点といって差し支えないでしょう。

ふたつめのケースは、命中率100%の人に殴られた場合。
補正回避率と補正ガード率はともにゼロです。回避もガードも発生しません。
会心でタコ殴りにされる未来が見えます。残念ながら回避もガードも耐久ステとしては意味のないものとなってしまうわけです。

つまるところ、耐久ステが十分かどうかというのは絶対的な基準があるわけではありません。十分かどうかは、相手によって変化します。
先ほどのMTGの話と同じ。攻め側の特性を知らなければ、守りを構えるのは難しいわけです。
じゃあ結局耐久ステどうすればいいのよ!?

メタゲーム

またMTGの話に戻ります。
MTGでも、やはりデッキ間の相性というものは存在します。デッキの地力というものはもちろんありますが、相性によって地力の差は覆ることも多いのです。
なので、相性の良いマッチアップを多くすることが、大会で勝つために考えなければならないひとつの要素となります。

自分が参加する大会にどういったデッキが多いかを予測し、その大会で勝てるデッキを携えていく。このような環境分析のことを「メタゲーム」と言ったりします。
地力が高いデッキを持って行ったのに、自分のデッキが意識されすぎて勝てない、なんてのもMTGあるあるですね。

この「メタゲーム」の考え方は、アッシュテイルにも適用できます。
要するに、環境にどういったステータスの人が多いかを予測し、それに合わせたステータスで臨めばいいのです。
なるほどなるほど、言うだけだったら簡単だ。

メタゲームを考えるときに気を付けなければならないことがひとつあります。それは自分の目標とするレベルはどこなのかを正しく設定することです。
よく、勇者リーグ常連の人が Twitter でステ画像をアップしています。それを見た回避の人が「相手の命中率がこんなに高いんだと、私の回避率じゃ足りない!」と嘆くかもしれません。ですが、自分の目標とするレベルにその人たちはいるのでしょうか?
圧倒的格上の人からの攻撃に耐えられないので方針転換をする、というのはゲームに勝つという視点では完全にメタゲームを読み間違えています。それはもはや、戦う前から敗北といっても過言ではないのです。

ソシャゲはなんだかんだで課金量がものをいうゲームです。工夫次第で無課金や微課金も少し上に行くことはできますが、それでも超えられない壁というのは存在します。
じゃがいも天啓でボコボコにされてクリアできない層が、中身ありでスキルも使ってくるそれらの人たちに勝てる確率は限りなくゼロです。
なので、勝てない相手には勝てないと割り切る必要があります。
自分の目標はどのようなもので、そのためにはどのような相手に勝たなければならないか、を正しく設定することが重要なのです。

じゃあ、耐久するにあたっての攻撃側の仮想敵はどうやって設定すればいいのでしょうか。
倒さなければならないのは、自分と同格、もしくは少し上の戦力帯でしょう。戦力100万離れている相手を意識しても仕方ありません。
それを考えると、実は答えはすぐ近くにあります。同じ戦隊メンバーのステータス。これが仮想敵として最も適切であり、かつ乗り越えなければならない壁なのです。

戦隊メンの会心率や命中率を教えてもらい、それで今の自分の耐久ステだと補正回避や補正ガードがどの程度となるのか。
耐久ステを考えるのに、ここが重要なポイントとなってくるわけですね。

当たるも八卦、当たらぬも八卦

たとえ話をひとつします。

あなたのHPは1000万です。
相対するタイプとして、以下の2種類のタイプどちらが脅威でしょうか。

A) 1秒ごとに確実に100万ずつダメージを与えてくる相手
B) 1秒ごとに、10%の確率で1000万のダメージを与えてくる相手。(90%の確率でダメージゼロ)

どちらも1秒あたりの平均ダメージ量は100万です。ですが、Bのほうが脅威と感じる人が多いと思います。

Aは毎秒の継続的ダメージはありますが、倒されるまでの時間的猶予が約束されています。こちらのHPが減ってきたときに、回復や妨害といった対策が取れるのです。

それに対し、Bはそのような猶予がありません。当たったら即死です。ダメージを受ける確率は限りなく低いのですが、しかしダメージを受けたら、そこから取れる選択肢がないのです。

このことは、防御側はムラが少ないほうが望ましいのに対し、攻撃側はムラがあっても1~2撃で倒しきるだけの破壊力を備えていたほうが望ましい、ということを示しています。

回避型、ガード型。どちらも個別では上限の発生率は70%です。いずれも耐久に寄与しているのは間違いないのですが、どちらもムラがある耐久となります。
いくら回避を上げたとしても、30%は回避をすり抜けてくるわけです。その30%をどう耐えるか。

そう考えると、もし回避やガードが過剰なのであれば、その過剰な要素は残り30%を耐えるために回すべきということとなります。
たとえばチェリーを抜き、靭性や会心ダメ耐性を盛ることですりぬけた30%に備えるのです。
ただ「どれくらいが過剰なのよ?」を見極めが大切で、それが「メタゲーム」ということなのです。

攻撃側も、自分の目標ラインだと回避率これぐらいのビショが出てくる、というのは目安になります。
回避を抑えるべく命中率をしっかり積むのもありでしょう。逆にちょっと命中を盛っても7割回避され続けるのであれば命中を捨てて、残り3割で確実に会心を出すために会心率を盛るアプローチだってあると思います。

まとめ

長々と書いてきたのですが、実はたいしたことを言ってません。
まとめると、以下です。

・攻め筋を知らなければ、適切な防御は築けない
・自分の目標に合わせて仮想敵のステータスは設定しよう
・仮想敵の参考には、同じ戦隊メンのステータスが参考になる

これと、前回の攻撃判定式を組み合わせて、ようやく適切な守りと、その守りを崩すための攻めが考えられるというわけです。

無課金でも対人は楽しめますか?

そもそも私自身、フィオラ3というそこそこの先行鯖にいながら、目標ラインは常にダイヤ3としています。
課金は今も昔も倉庫課金とアシュテパスのみ。微課金の末席といってもいいレベルでしかありません。

最初からそんなスタンス(最初半年ぐらいは完全無課金)だったので、対人コンテンツは全く興味ありませんでした。
対人なんてのは、廃課金、中課金の人にボコボコにされるだけのつまらないゲームだと思ってました。それもあって、1年弱は戦隊も全くやらず、ただひたすらvEで遊んでいた時期もあります。
(戦隊は時間的な問題もありましたが。。。)

戦隊を始めてみたきっかけは報酬のジェムです。我ながらなんとまぁ現金なことw
で、いざ始めてみたらこれがまた思っていたよりも楽しいものだったのです。
特にシーズン後半になると、同レベルのところとマッチングしやすくなってきます。同格相手にギリギリの戦いをして、負けたらやっぱり悔しいし、勝ったらそれはうれしいものです。なんだかんだで熱い時間を過ごしています。

戦略ひとつで勝った負けたがひっくり返ることもありますが、それに加えて個々のステータス。すぐに死んでしまうからこうしてみよう、とか試行錯誤してみている人も多いはず。
どうやったら生き残れるのか。どうやったら相手を倒すことができるのか。

勇者リーグレベルになってしまうと、仮想敵が既に明確なのであまりこのエントリから得るものはないと思います。
逆に、勇者リーグなんて縁がない人たちこそ、あらためて仮想敵を明確にしてみると見えてくるところがあるかもしれません。
vEメインでvPなんておまけ、という人こそ、ちょっとの見直しが効果につながることもあると思います。
そこから「こうやったら生き残りやすくなるんじゃないか?」とかのヒントが見えてくると、それを試すのがまた楽しみになってくるでしょう。それで実際に効果が出てくれるのであれば、もうこの上なくうれしいことなんです。ほんとにほんとに。

メタゲームはぐるぐると

メタゲームを考えるうえで最後に注意するべき点を一つ。

あくまで「じゃんけん」の手を予想するようなものなので、外れるときは外れます。
また、あなたのステータスを見て、あなたを倒せるようにチューニングしたプレイヤーの攻撃を受けきるようにチューニングすると、何も考えていない相手には逆に弱くなったりします。
グーが多いと予想したからパーを構えてる。そんな人のステを見て「チョキで行こう!」と心に決めたらなにが起こるか、まぁ自明ですよねw

メタゲームはあくまで、環境に存在する仮想敵を分析すること。
隣人を完封するのが目的となってはいけないのです。

なので、このエントリのタイトルは実はダウト。
正しくは「汝の隣人をほどほどに完封せよ」になります。
でもほら、キャッチーさって大切だから、しかたないよねw

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