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深緑の声

駆け巡る 森の中を
逡巡する心 踊る足に絡み付く想い

深緑の波が まるで蠢くように
騒めく木々 高ぶる気持ち
此処にあらずの 心象 待ち焦がれて

早まる鼓動 写し出した 心
感情の赴くままに ここまで来たから
お願い ねぇどうか
寂しさの溢れる この気持ち
忘れないでいて

駆け巡る
目眩く 深緑の幻想に呑まれないように
この手 握って居て 欲しいから

ねぇ あの日照らした
あなたの瞳に 哀悼の風潤う 森の心象
想い重ね 幾度の夜を共に過ごした

温かく優しい声に 戯れし
遥か 永遠の夢路を 確かめ合った

ねぇ どうして
季節は移ろい 花々は枯れていくの?

あの日照らした あなたの瞳には
もう既に あの時の言葉は 映らず
この深緑の騒めきを 感じ取っていたから

駆け巡る 深緑の畝りの中を
その指先に秘めたる 今にも張り裂けそうな
心象の風景を 震わせながら

この指先の感触を 忘れないで
ねぇ 何処までも 一緒だよね?
差し出された手に 反射する
幾万もの感情の綾が あの時のように
撹拌を繰り返しているから

駆け巡る 森の中を
逡巡する心 この想いに触れて いつまでも
あなたに導かれ 踊る足に 絡み付く

早まる鼓動 目眩く景色
感情の赴くままに
ここまでやって来たのは
そう

あなたの居ない夜
あの時 交わし合った 言葉の隅々に
迸る 哀悼の気持ちを
優しい瞳で 受け止めて欲しかったから

ねぇ どうして?
季節は移ろい 花々は枯れて行くのだろう

感情の赴くままに
ここまで辿り着いたのは きっと
あなたの居ない夜に ふと
溢れ出す声を どうか
聴いていて欲しかったから

駆け巡る 森の中を
逡巡する心 この想いに導かれし 深緑の声
あなたに手を引かれ 何処までも
踊る足に 想い 絡み付く

#詩 #現代詩 #みやすけの詩 #汽水空間

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