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「あいだ」について

高橋寿太郎さんの著書「建築と不動産のあいだ」と「建築と経営のあいだ」を立て続けに読んだ。

設計事務所に勤務している身からすると、勉強になる本なのはもちろん、耳の痛い話も多かった。

お恥ずかしい話、「土地とお金の話は得意じゃないし、手間だし、誰かにちゃんとまとめてもらってほしい」なんて、どこかで思っていた部分もあったように思う。「土地」は「敷地」だし、「お金」は「工事費」だし、なんて。俺は設計がしたいんだから、そこに時間をかけたいんだ、なんて。

生意気だし、まったく分かっていなかった自分。

そこには、お客様の暮らしがあり、人生がある。生き方がある。

「あいだ」を考えることは、とてもクリエイティブだと思った。いろんなところに「あいだ」ってあるよなぁと。

「森を守りたい」という思いがあるのなら、「建築と林業のあいだ」も考えないと。

もっと身近な社内にも、「営業部と設計部のあいだ」もあれば、「設計部と工事部のあいだ」もある。

建築単体で考えても、「内部と外部のあいだ」、「開くと閉じるのあいだ」、「建築と建具のあいだ」、「建築と家具のあいだ」などなど。「意匠と構造のあいだ」も「意匠と設備のあいだ」もあるだろう。

「壁」ではなく、「あいだ」。「バトンタッチ」ではなく「伴走」。いや、バトンタッチされるのであればまだまし。不動産屋さんから設計事務所へのバトンは、建主様によって届けられる。届けたつもりが、「ちょっと分からないので、もう一回バトンを返して来てください」なんてことも。

全然ダメだ。。

建主様の立場になると、本当に疲れるし、振り回されると思う。何千万ものお金を支払うことになるのに。

逆に、その一連のフローがシンプルで顔の見えるものであれば、本当に安心できると思う。

「あいだ」に積極的に関われば、結果的にデザインのクオリティーも上がるように思う。何より、建主様が幸せになると思う。

小野寺設計店は、「あいだ」をデザインする設計事務所になりたい。

宅建とFPの畑に、飛び込む勇気が湧いてきた。

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