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2024/2/14ビフォアシリーズについて語りたい 2

今回のリバイバル上映で久しぶりにみた『ビフォア・サンライズ』。記憶していた以上に良かった。会話の節々が哲学的で胸に刺さる。でも待って、この2人23歳ぐらいの設定だよね。23歳の私には全く理解できなかったよ。だって45歳の今になってジワジワ来るんだから。

2人が連絡先を交換しないのなんで!って思ってたけど今ならわかる。この2人はスマホがあっても連絡先を交換しなかっただろう。ここで連絡先を交換したら「2、3度やり取りして終わり」。つまり一時的な感情で終わる。この2人は既にそうなることを予測していたのだね。23歳だったら、その時の感情で動いてしまいそうなのに。ゆきずりの恋にしないなんて、大人だなぁ。

三部作をみて2人の結末を知ってるからこそ、ひとつひとつのセリフをいちいち噛み締めたくなる。

レコード屋の視聴コーナーのシーンはいつみても最高。最高すぎて泣きそうになった。共同墓地のシーンも。会ったばかりの女に墓地へ連れて行かれたら怖いけど、ちゃんと死生観の話につながるから意味がある。

一夜明けた2人。イーサン・ホークの詩の朗読シーンが良かった。「年月は兎のように駆けるだろう」。時の流れには逆らえない。うーむってなりそうだけど、この後の2人を知ってるから前向きに考えられる。かな。

ラスト、夜明けの街並みを反芻するように追いかける撮り方も好き。『ビフォア・サンセット』の時は最初に2人が向かう場所を写してた。そういうところに気づくとうれしくてニヤニヤ。

そういえば川沿いにいた詩人。カッコ良かったし詩もロマンチック。

ビフォアシリーズは人生映画だと思うけど、時の流れがどういうものかを教えてくれる映画なのでは?ちゃんと今の自分を受け入れて人生を歩んでいく。この2人を見ていると、人生が楽しくなるなぁ。歳をとることは悪くないよね。

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