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デザイン経営

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デザイナー組織ではなくデザイン組織へ進化するゆめみ、そのデザインが中心となる組織について

前回のnoteで、ここ数年のゆめみのデザイン組織への進化のこれまでを書きました。 ゆめみは、その独自の権限分散型組織を基礎として、単にCXOやクリエイティブ部署をつくって終わりではない、総体としてのデザイン組織への進化を目指し、デザイン組織をビルドアップしはじめています。 そこにはデザイン経営・デザイン組織のベースとなる、大事な要素があったように思います。 デザイン組織としての構造、デザインが中心となっている組織として、大事なことはどんなことでしょうか。 「デザイン組

ゆめみ入社3年目、C.DOになった話と、この2年ぐらいのゆめみのデザイナー組織の変化

ゆめみに入って3年目になりました。 入社後、私は仲間と協力しながらサービスデザインに注力するチームを作って業務にあたり、また社内外のワークショップを実施したり、外部セミナーで登壇したりしてきました。 すると最近では強強な仲間も増えてきました。 そしてこの5月に、ゆめにでは新たに「C.xO制度・執行役員制度」が立ち上がり、私は取締役会決議でC.DOに任命され、C.DOとして活動していくことになりました。(.がついているのは誤植ではなく、意図があります。) エンジニア・デ

【感想】ユーザー中心組織論

きっかけ SNSでいつも共感する投稿をされていて、勉強させていただいている金子さん(@tsuyoshi_osiire)が本を出されるというので飛びついて読ませていただきました。 折しもデザイン経営を学び、デザインやイノベーションの組織へのインストールにあたっては組織ごと変わる必要がある、と私も考えていたので、こちらの本は深い共感とともに読ませていただきました。 私の過去の投稿 デザイン組織 https://note.com/goofygoof/n/n69d446ec39b

デザイン思考などで一生懸命つくった新規事業の企画なのに社内稟議を通らない理由

昨今、デザイン思考や人間中心設計、リーンキャンバスなどを通じて、新規事業アイデアを作り、育てることが一般的になってきていると感じます。 我々もそういったコンセプト立案フェーズをご支援することが多く、講演などでお話をさせていただくケースがあります。 しかし、そのような場で新規事業・イノベーションに携わる方々から質問をいただいたり、お話をお寄せいただくのは、およそ以下のようなことです。 デザイン思考などの実践の必要性があると感じるが、全社に導入することに関して、社内メンバー

美術大学の学生になりました。

この9月から、多摩美術大学クリエイティブ・リーダーシップ・プログラムの一期生としての活動がはじまりました。 毎週土曜日に上野毛の多摩美術大学に通って、同期選抜の30名と一緒に、錚々たる講師陣のお話をきき、ワークショップをする日々を送っています。 TCLとは主にビジネスパーソン向けの講座として、デザイン✕ビジネスの領域における第一人者を育て上げていくプログラムと理解しています。 「TCL」は、ビジネスにおける思考力と実行力を実装する場だ。 デザイン×ビジネスの先端の知識と

講演時にいただいたご質問に回答します(その2)

 続きです。 ワークショップを行ってもなかなかいいアイデアが出なかったり、次のフェーズに進まないがコツはあるか? メンバーの関与の具合が重要です。積極的に関与されている場合と、懐疑的で一歩引いてやっていると如実に影響します。とくに、出てくる数に影響します。 メンバーをどう乗せるか、またメンバー選定がポイントになると思います。その次に、ファシリテーターのテクニック重要です。 まとめると、組織設計が次の観点で重要になってくると思われます。 デザイン思考を活用したアイデア創

講演時にいただいたご質問に回答します(その1)

去る9/3(木)17時より、ビザスク様主催のセミナーで講師をつとめさせていただきました。 時間中にたくさんの質問を頂いたのですが、回答出来きれませんでしたので、私のほうで回答ができるものを、noteで回答いたします。 ペルソナについては、よくヒアリングでよくある要素を詰め合わせた仮想人物では、存在しない理想像になってしまい意味がないという人がいますが、この点についてもしお考え・ご意見あればご教示ください。 はい、そのように思います。まさに講演中の「都合のよい非実在ペルソナ

講演をさせていただきました。

去る9/3(木)17時より、ビザスク様主催のセミナーで講師をつとめさせていただきました。 テーマは「顧客起点の事業開発ー人間中心設計によるサービスデザインー」でした。 8月下旬から2週間程度の広告露出だったにも関わらず、最終的に680名強のご登録をいただいたとのこと。当日参加者の方も450名ぐらいまでは確認しておりました。(そのあとは講演に集中したため、見れておりません。) ご視聴いただきました皆様には御礼申し上げます。 内容セミナー資料は、アンケート回答者の方に差し上

【感想Day2】「デザイン経営2020」Withコロナ/Afterコロナを創造的に生き抜くには

どんなセミナー?先日Day1が行われた『「デザイン経営2020」Withコロナ/Afterコロナを創造的に生き抜くには』の、Day2が開催されました。 前回は「デザイン経営とは」や「デザイン経営することの難しさ、課題感」を先端の識者を交えてディスカッションする会でしたが、 今回は、 ・大企業でのデザイン経営実践 「デザイン」としての活動で先頭をはしる大企業SONYさんと富士フイルム株さんの組織におけるデザイン経営の実体と、中の人がどんなことに気をつけているか ・中小企業で

【感想Day1】「デザイン経営2020」Withコロナ/Afterコロナを創造的に生き抜くには

どんなセミナー?今年春に相次いで公開されたデザイン経営の実践に関する最新レポートを踏まえ、ゲストと共にWithコロナ/Afterコロナ時代のデザインの活用と経営のあり方を議論します。後半は「デザイン経営の始め方」をテーマに、参加者の皆さんが日頃関心を抱く課題ごとにデザイン経営の実践内容の理解を深めるプログラムをご用意しています。 とのことで、ロフトワーク社主催で、「デザイン経営」に関する「理想と現実」「これからのあり方」について、有識者を交えた議論を通じて、業界の先端を見つ

デザイン・リサーチの報告〜Work From Homeについて思うこと〜

このnoteについてこの4月、社外のデザインリサーチ活動にプロボノ参加していました。 リサーチ活動を通じて、感じたこと、思ったこと、新たな発見があったので、noteにまとめてみます。 どんな活動だった?プロジェクトの内容は、Work From Homeの状態を余儀なくされた、私達をふくむみんなが、どう感じ、どう行動しているか?を調査することでした。 本プロジェクトの目的は、人々の生活がCOVID-19によってどのように影響を受け、人々がそれにどう対処したかについての物語や

「デザイン経営」組織の構造とは

“Design is everywhere. From the dress you’re wearing to the smartphone you’re holding, it’s design.”— Samadara Ginige 「デザイン経営」組織とは前回のnoteで、 ビジネスをスペキュラティブにデザインする(見立てる)ことが、経営におけるデザイン であり、 経営におけるデザインを推し進める方法が「デザイン経営」であり、 そのための組織体制が、「デザイン経営」組

「デザイン経営」とはどういうことか

先日、こちらの記事で、サービスとUXとデザインの関係について、全体を俯瞰する視点で一旦まとめました。今回は、それらと経営の関係についてまとめたいと思います。 経営=ステークホルダー全員のUXを向上させる取り組み 経営とは、サービスやブランドを通じてステークホルダー全員のUXを継続的に向上させる取り組みであると整理しました。 継続的にUXを向上させる方法=サービスデザインによる発見UXに影響する要素の一つとしてサービスがあり、 サービス「の」デザインを行うことで、継続的なU

デザインとアートの境界線ってあるの?という問いと、UXデザインと呼ばれるものについての考察

※前提として、美術系の大学卒でもない、視覚デザインを学んだわけでもない、社会学部卒の筆者による考察であることをご留意ください。 アートとは、デザインとはこれらの言葉の、普遍的・明確・端的な定義は聞いたことがありません。 デザインにも広義のデザイン、狭義のデザイン、などという言い方がなされたり、組織デザイン、関係性デザインといったり、アートといったり美術といったり、使い手によって場面によって様々な意味が付加されます。 デザインの歴史的には、現代アートの始まりと言われるデュシ