2024 年 3 月 11 日 オラクル 2024年度第3四半期決算を発表
はじめに オラクル社とは?
オラクル社は、アメリカ合衆国カリフォルニア州創業、
テキサス州に本拠を置く、民間法人や公的機関を対象とするビジネス用途に特化したソフトウェア会社です。
1977年に設立され、現在では従業員数14万人以上、年間売上高約400億ドルの大企業に成長しています。
AI半導体などに注目が集まる中、ソフトウエア面から米国の動向がわかる代表的な企業です。
1. 決算発表概要
発表日: 2024年3月11日
売上高: 前年同期比7.1%増の132億ドル
営業利益: 前年同期比9.4%増の43億ドル
純利益: 前年同期比11.2%増の32億ドル
2. 収益成長の要因
🌟クラウド事業の好調
クラウドサービスおよびライセンスサポートの売上高は前年同期比4%増の69億ドル
特に、OCI (Oracle Cloud Infrastructure) の成長が顕著
🌟サブスクリプションモデルへの移行
サブスクリプション売上高は全体の71%を占め、安定収益源に
ライセンス売上高は減少しているものの、収益の質は向上
🌟地域別売上高
北米:43億ドル (前年同期比8%増)
EMEA:37億ドル (前年同期比6%増)
アジア太平洋地域:27億ドル (前年同期比8%増)
3. 競争力と市場動向
🌟クラウド市場における競争激化
AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformとの競争がさらに加速
オラクルは、OCIの機能強化と差別化戦略を推進
🌟エンタープライズソフトウェア市場の成熟
市場成長率は鈍化しているものの、依然として大きな市場規模
オラクルは、製品ポートフォリオの拡充と顧客基盤の強化を図る
🌟デジタル化への加速
企業のデジタル化ニーズは依然として高水準
オラクルは、クラウドソリューションやAI/ML技術を活用したソリューションを提供
4. 投資家向け評価
🌟堅調な業績と成長戦略
オラクルは、収益性と成長性の両面でバランスが取れた企業
クラウド事業への投資とサブスクリプションモデルへの移行は、長期的な成長戦略として有効
🌟財務健全性
オラクルは、高い財務健全性を誇り、豊富なキャッシュフローを有する
株主還元にも積極的
🌟リスク要因
クラウド市場における競争激化
エンタープライズソフトウェア市場の成熟
経済情勢の悪化
5. 将来展望
🌟クラウド事業の成長
OCIの機能強化と差別化戦略を継続
クラウドサービスのポートフォリオを拡充
🌟サブスクリプションモデルへの移行
サブスクリプション売上高の比率をさらに高め、安定収益基盤を強化
🌟新規市場への進出
AI/ML、IoT、ビッグデータなどの分野で新たな成長機会を模索
🌟競争力強化
研究開発への投資を継続
人材獲得と育成を強化
🌟顧客満足度向上
顧客ニーズに合わせたソリューションを提供
顧客サポート体制を強化
6. オラクルの将来戦略
🌟クラウド事業への重点投資
OCIをエンタープライズクラウド市場における主要なプラットフォームに成長させる
クラウドサービスの収益を拡大
🌟サブスクリプションモデルへの完全移行
安定収益源を確立し、収益の質を向上
🌟新規事業への進出
AI/ML、IoT、ビッグデータなどの分野で新たな収益源を創出
🌟競争力強化
研究開発への投資を継続し、技術革新を推進
人材獲得と育成を強化し、組織力を向上
🌟 顧客満足度向上
顧客ニーズに合わせたソリューションを提供し、顧客満足度を向上
7.2024年度と2025年度通期の売上高見通し
🌟2024年度
売上高: 522億ドル~532億ドル
営業利益: 170億ドル~175億ドル
純利益: 128億ドル~133億ドル
🌟2025年度
売上高:545億ドル~555億ドル
営業利益:180億ドル~185億ドル
純利益:135億ドル~140億ドル
8. まとめ
オラクルは、堅調な業績と明確な成長戦略を持つ魅力的な企業です。
クラウド事業への重点投資とサブスクリプションモデルへの移行を進めることで、今後も成長を続けていくことが期待されます。
投資家や株主にとっては、今後の課題克服に向けた取り組みを注視していくことが重要となります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?