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新型SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL7を暴く

先日7/29に発表されたばかりの新型TARMAC。このバイクの価値を考えてみました。
このバイクは発表前から「VENGEのエアロ性能と旧TARMACの乗りやすさを兼ね備えた次世代レーサーバイク」とし期待され、それを裏切ることなく、まさしく史上最高のロードバイクとしてパッケージ化され登場しました。

ロードバイクの大きな転換期は今までいくつか経験してきましたが、ここ1~2年はまさにの数少ない転換期の1つだと言えます。何が変わったか?それはブレーキです。ディスクブレーキがロードバイクに採用されました。ディスクブレーキのメリットはたくさんあります。従来から言われていることとしては
・制動力の安定化(雨天時の制動力向上)
・低重心化
・リムの軽量化による乗り心地向上、パワーロスの低減
・キャリパ―ブレーキ台座の排除による剛性設計の自由
などが言われてきましが、実際にはホイールの進化の遅れなどにより、トータルの重量増などのマイナス効果が目立っていました。

これをクリアしたバイクとしてはwilierのZERO SLRやcannondale Synapse CARBON、cervelo S5が挙げられます。しかし、レーサーバイクにおいてなぜそこまでして(性能を退化させてまで)ディスクブレーキ化しなくてはいけなかったか?エンデュランスならまだしも競技をやるベテランライダーにとってキャリパーブレーキは十分に制動力を発揮しており、雨天の不安定さすら慣れれば克服できるもの。

その答えがTARMACにありました。つまりエアロ化です

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ハンドルのエアロ化、ケーブル・ホース類の内装化。微々たるエアロ効果を無視できない速度域でライドしているレーサーにとって時速50㎞/h域での30wのエアロ効果は喉から手が出るほど欲しいハズです。これを実現するために各社は完成度の高かったリムブレーキの開発をやめて本気でディスクブレーキのロードバイクを作り始めたのです。このSPECIALIZED TARMAC SL7、前作のSL6と並べて比べてみるとフレーム形状はほとんど同じです。完成車を比べてみるとヘッド周りがVENGEと同様にホース類を内装する仕様になっておりエアロハンドルになりました。

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またホイールの進化も性能向上に大きく貢献しています。フロントとリアでまったく形の違うリムを採用。タイヤ側から空気の壁に突入するフロントとリムからタイヤに空気を流して後端の空気を乱さないように設計された特徴あるホイール。特にフロントホイールのスポーク数を18本まで減らすことによりリムハイト以上のエアロ交換を発揮してます。

まとめると
SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL7が成し得た業績は「ディスクブレーキ化によるハンドル周りの空気抵抗低減」「究極のディスクブレーキ用ホイールの開発」この2つに尽きます。これらをSL6のフレームに搭載し絶妙な味付けを加えることによって新型TARMAC SL7は低速域から高速域まで息継ぎなく加速するバイクになりました。自転車にまたがりペダルに脚を乗せ10㎞/hも出せば体感できる、全てのフリクションがなくなったかのような感覚とスピードが上がるにつれ二次曲線的に増加する空気抵抗の処理が絶妙。緩い登りではe-Bikeように自分の脚力以外の力が加わったように進みます。
高価なバイクですが、余計な飾りや余分な性能が一切ない…ムダのないパッケージング。何も足さず、何も引かず。完成車で買うことをお勧めします。
#specialized
#tarmacsl7
#goodselectbicycles

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