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「統一」原理がAIによって無効化される時代

ChatGPTを使ってみた食口は、質問に対する回答の「歯切れの悪さ」を体験したかもしれません。

Q. GPT4を使った感想だが、分断を招くようなセンシティブなissueについて、回答が中庸になるようプログラムされていないか。

A. OpenAIのGPT-4は、あらゆる種類の質問に対して公正、中立、そして公平に答えることを目指して訓練されています。特にセンシティブなトピックに関しては、様々な視点を尊重し、包括的な視点を提供するよう努めています。
分断を招く可能性のある話題については、中庸を保つことは、全ての関係者に公平で、事実に基づいた情報を提供するための重要な方法です。しかし、中庸というのは必ずしも中立性を意味するわけではありません。多面的な視点を提示し、それぞれの視点がどのように理解されうるかを明確に示すことが重要です。それは事実や理論、そして人々の価値観や経験に基づいた理解を可能にします。
ですので、GPT-4が中庸に回答するのは、特定の視点を推進するためではなく、広範な視点を認識し理解するための手段としてです。この目的は、利用者が知識を深め、より洞察に富んだ判断を下すのを助けることにあります。

ChatGPT

AI開発者が懸念するのは、「エコーチャンバー効果」と呼ばれる確証バイアスの増幅です。
アメリカ大統領選挙を例に挙げるまでもなく、SNSのアルゴリズムが分断を修復不可能なものとしてきました。
膨大な知識を雄弁に語る生成系AIだからこそ、大きな制約を設ける事情は理解できます。

長く信仰した食口は、このようなガイドラインを物足りないと感じるはずです。
「共産主義は無神論が土台だから、歴史的に大量粛清してきたのではないか」という質問に対しても、「おっしゃる通りです」という共感の回答はしません。
「無神論者でも道徳的な人もいる、歴史的には宗教も同じくらい残虐な行為に手を染めた」などを根拠に、無神論者に配慮した回答を返してきます。
原理講師が「歴史的事実です」と正しさを示した根拠の数々が、立て板に水のように反論されてしまうのです。

銃撃事件後の報道で、過去の悪事を暴かれることは仕方ないとしても、保守的な教義や思想まで批判されるのは納得できないと、感じた食口がいることでしょう。
ここまで主戦場とした思想の闘いは、神側vsサタン側に峻別して、優劣をはっきりと論ずるものでした。
「神様が憎む性解放や同性愛、進化論は、地球上から殲滅しなければならない!」のようなコンセプトのことです。

GPTは特定の信念や視点を優位に立たせて、反対側の信念や視点を見下すような言説を拒否します。
果たしてそのような価値相対主義で、本当に世界を良くすることができるのでしょうか。

Q. 思想の自由や多様性が重んじられるのは素晴らしいことだと思うが、一方でどの隣人とも分かり合えない究極的に分割された世界が到来するのではないか。
科学であれ宗教であれ、霊性が未熟な人間が実践してもろくなことがないと感じる。
確証バイアスを超えて、個々の霊性が健全に成長するにはどうしたら良いか。

A. 霊性の健全な成長を促すための方法は人それぞれで、個々の価値観、信念、経験に大いに依存します。しかし、以下に一般的なアプローチをいくつか提案します。
内省: 自己の価値観や信念について深く考えることは、霊性の成長の重要な一部です。自分が何を信じ、何が大切で、何を追求しているのかについて理解することで、自己の霊性が深まります。
教育と学習: さまざまな信念体系や哲学、倫理観について学ぶことは、自身の霊性を深める一助となるでしょう。異なる視点を理解することで、自分の信念を広げ、深化することが可能になります。
対話と交流: 他の人々との対話と交流は、自分自身の視点を拡大し、他者を理解するのに役立ちます。異なる信念や経験を持つ人々との対話は、自分の視野を広げ、同情心や共感力を育むことができます。
瞑想とマインドフルネス: 瞑想やマインドフルネスの練習は、自己の内面に向き合い、自身の感情や思考を明確に理解するのに役立ちます。これは霊的な覚醒と成長に対する内面的な道筋を作ることができます。
社会的な行動: 他人や社会に対する積極的な行動を通じて、自己の価値観を具現化することも、霊性の一部と言えます。これにはボランティア活動や社会的な問題への積極的な関与が含まれます。
柔軟性と開かれた心: 確証バイアスを超えるためには、新しい情報や視点に対する開かれた心が必要です。自分の信念を常に試練にさらし、その適用性と正確性を評価する柔軟性を持つことが重要です。

霊性の成長は個々の旅であり、一人ひとりが自分自身の道を見つけることが大切です。それは自己の内面を探求し、自分の価値観と信念を発展させるプロセスであり、一生を通じて続くものです。

ChatGPT

どうやら80年前に設定された、「世界化したキリスト教が再臨主を迎え、統一原理によって『世界を一つにする』」モデルは、既に破綻していたのかもしれません。
背景には、世俗化に伴う宗教の、相対的な無力化が大きいのでしょう。

原理講論には、敬虔主義やカント、スウェーデンボルグによる第二次宗教改革に続き、「現代の第三次宗教改革」が予言されています。
しかし清平役事の金銭的堕落を見るだけでも、統一運動がそこに到達しなかったのは明白です。

食口がいまなおSNSで、(中国共産党やリベラルを引き合いに)自らの正当性を主張する姿は哀れです。
エコーチャンバー効果で分断した世界で、反対側に石を投げることは誰にでもできることだからです。

GPTの「中庸アルゴリズム」が、今後どれだけ効果を発揮するかは不明です。
しかし「サタン側」を貶めて、自らの正当性を主張する統一運動の戦略は、早晩効果を失うようになるでしょう。

我々が悔い改めるべきは、(霊界を正しく示せなかったことを含めて)「地の塩、世の光」になれなかったことに他なりません。
GPTが「霊性の成長は個々の旅であり・・・一生を通じて続く」と詩的に語るこの時代、やるべきことはただ一つしかないのです。

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