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聖堂

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大方岳個展 聖堂 のまとめ 詩、散文、絵画など
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聖堂 作品、用語解説

大方岳 個展 「聖堂」  {コンセプト} 祈りについて語るとき、それは常に宗教的なものとして語られます。しかし、祈りという行為は宗教でなくてもすべての人間にとって普遍的な営みであるように思います。祈りの定義は人によりそれぞれですが、思いを不確かなものに託すことをそう呼ぶのであればそれはほとんどの人が経験するはずです。どうしようもないような状況や自分の支配の及ばないこと、そういう困難に人生は満ちています。そういうときに、人は賭けなければなりません、無数に分岐する未来がひとつの

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聖堂の全作品

聖堂のための散文(個展で展示してないものも含む)

はじめに 教室の北側の窓から赤松が一本風に揺れているのが見える。 五時限目の授業中はオレンジ色に染まっていく外の景色を眺めながら妄想をするのが日課になっていた。 オレンジ色の夕日、木目を模した廊下の模様 校舎西側の階段を上がると音楽教室があり、そのななめ向かいに美術教室がある。 扉を開けると画材のにおい。ダリの画集を本棚から取り、馬のデッサンを眺めた。 レモン 青いレモンを一口かじり ああ、ため息が出るよ 赤いお茶を一口飲んだ あつい!なんで!?むかつく 黒い鉛が頭を満たし