”Wikipedia”的コミュニティがFacebookを超える日

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-04/mark-zuckerberg-says-facebook-to-look-into-cryptocurrency

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-04/mark-zuckerberg-says-facebook-to-look-into-cryptocurrency

マークザッカーバーグは、新年の抱負を自身のFacebookで述べ、少数の巨大IT企業に権力が集中してしまっているため、非中央集権の代表例である暗号通貨等の新技術――明言してはいませんが、ブロックチェーン技術を指すと思われます――を研究し、フェイスブックのサービスにどう活用できるか検討すると述べました。

こうした技術を何に使うのかについて、ザッカーバーグは具体的に述べてはいません。但し、Bloombergの記事本文では、現在Facebookを取り巻く様々な問題――増殖するヘイトスピーチやフェイクニュース――を解決する糸口を探しているのだろうと推察されています。

さて、改めてザッカーバーグのFacebookのポスト(原文)を読むと、

・テクノロジーが人々に権力を与える非中央集権的なものとなることを信じていたこと

・しかしながら現在は、少数の巨大IT企業が中央集権的になってしまっていること

・それゆえ非中央集権化して人々の権力を取り戻す必要があり、そのために(非中央集権型である)暗号通貨等の技術を検討する

と書かれています。

ところが、中央集権的な仕組みを構築することで、大半の米国人のユーザーを抱え込むことに成功して巨大企業にのし上がったFacebookが、なぜ自身の存在を否定する技術の活用を検討するのでしょうか。

(この問いに対し、BloombergのレポーターであるSelina Wangは、『フェイクニュース問題などで窮地にあるFacebookは、流行りの暗号通貨に言及することで、好感・信用を少しでも取り戻したかったのでしょうか』と切り捨ててしまっています。)

これには、2017年11月に開催されたTechonomy Conferenceで、Union Square Venturesの著名投資家であるFred Wilson氏が発言した内容がヒントになるかもしれません。

巨大なFacebookに打ち勝つには、(ブロックチェーン技術に裏打ちされた)トークン型のビジネスモデルではないか。ブロックチェーン基盤のシステムを用い、過去のWikipediaやLinuxシステムのような、オープンで、クリエイティブで、非中央集権的でコミュニティが力を持つような仕組みだ。(中略)Facebookのユーザーは、Facebookが広告を最適に表示するためにユーザーのあらゆるデータを取得していることに気づいており、Facebookから離れ始めている。

つまり、Facebookが負けるとすれば、それはInstagramでもSnapchatでもLinkedinでもなく(もちろんその他の現存する主要SNSでもなく)、

・ブロックチェーン基盤のシステムでFacebook以上に優れた個人データの管理を行うことができ

・ユーザーが参加したいと思えるインセンティブのあるコミュニティだろう

ということが指摘されています。

過去、まだ社員13人、売上高ゼロだったInstagramを800億円超で買収したザッカーバーグですから、フェイクニュースなど足元の問題ではなく、次の動きを予測しているのかもしれません。

もしかすると近い将来、Facebookを脅かすコミュニティが、Facebook内部から立ち上がるかもしれません。

http://techonomy.com/2017/11/blockchain-based-systems-replace-facebook/

http://techonomy.com/2017/11/blockchain-based-systems-replace-facebook/

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