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週6でソーセージを食べる女が塩分対策考えてみた

突然ですが、あなたはどのくらいの頻度でソーセージを食べますか?
私は週6でソーセージを食べております

食べるだけに飽き足らず自分でも作る そして食べる
そうすると何が問題なのかと言うと、やはり塩分である

ソーセージには塩分がたっぷり含まれている
私は今ドイツに滞在しているが、ドイツのそれは日本よりサイズも大きい上に一口で感じる塩分の濃さも一段上だ
なぜソーセージは塩分が多いのか
答えは簡単 ソーセージは肉と塩でできているから

ソーセージは塩が無ければ人の求めるおいしさにならない
粗びきのお肉に練り込まれた、唾液腺がキュッと刺激されるあのしょっぱさ みんな大好きなやつの正体はもちろん塩
そしてソーセージにおいて塩は味以外の要素にも深く関わっている

それが食感である
調理工程の話になるが、肉と塩の両者が練り合わせる事で赤身と脂身が「結着」した状態になり、この時に粘り気が生まれる
この状態を「乳化」と呼ぶのだが、この時の乳化があのプリッとした食感を生み出すのだ

私の中でソーセージがソーセージたる所以はあの食感 赤身と脂身と塩の生み出すマリアージュこそソーセージ
世界にどんなにソーセージのバリエーションが増えようともこれだけは変わりようのない事実だ

話を戻すがドイツソーセージを食べる為だけにワーホリビザを取得しドイツに来ており、現在週6でソーセージを食べている
これを聞くと「塩分やべ~」と思われそうだが、これがまあ実際ヤバいのである

塩分過多は怖い 採りすぎると様々な病気や健康を損なうリスクがぐんと跳ね上がる

私の地元宮城県は塩分摂取量日本一位になった年があり、健康診断に行ったら施設の壁に塩分対策を促すポスターがとても目に入りやすい位置に貼られていた 地元の飯がおいしいのはそういう事かと私は震えた

私は地元の飯も大好きだ
女川のサーモンにはやはり醤油をつけて頂きたいし、一緒に出てくる味噌汁だってしょっぱくなければ物足りない
しかしまだ死にたくもない やりたいことも行きたい場所も山ほどあるのだ

おいしさか健康か 完全に板挟み状態である
おいしさだけを取れば健康を損ない、健康だけを取れば私の生きる意味でもある食事の楽しさを損なう
このままではあまりにも辛い
塩分対策を考えなくては、罪悪感でソーセージが食べられなくなってしまいそうだ

おいしくソーセージを食べ続けるために、私は自身の体をないがしろにしたくない
これはソーセージ好きの女が、自分に合った塩分対策を模索していく記録である

❶ソーセージは1日1本まで

まずドイツに来てから最初に決めたことは『ソーセージは1日1本だけ』ということ
基本これ以上は食べない
ただ例外として2本以上いく日もある
それは例えば外食やお祭りなど特別な日、もしくはソーセージ一本あたりが小さい場合に限る
成人が1日に摂取する塩分量は5g以下が推奨されており、私が独自に調べたドイツソーセージ1本あたりの塩分量が平均1.3g
ただあくまで平均なので1本で2g弱行く事もある

自動販売機で買ったソーセージ

私はソーセージを買う度にパッケージの表と裏を撮影して記録を残しているが、食事する毎に「え~とこのソーセージは一本当たりの塩分量が●gだから…」とチェックするのはかなり手間だ
なのである時から私はもう『毎回1本で2g弱の塩を食べてる』と思うことにした

本来なら人の体をやめて1日1本と言わず毎食3本ずつ食べたい所だが、どうしても私は人なので量を調整せざるを得ない
全てはこれからも長くソーセージと、ひいては自分の体と付き合っていくためだ 1日1本だと「味わって食べよう」という気持ちも生まれてくる

そのおかげか何なのか、こうして長く週6でソーセージを食べる生活をしていても全く飽きがこない
1日1本でも割と苦でない ドイツに来て半年が経つが、これは続けられそうな気がする
なのでこのルールは今後も継続していこうと思う

❷自分で作る

ソーセージを自分で作るということ
これが確実に塩分を自分でコントロールしつつソーセージを食べる方法である
大体肉の重さ対して1.3~1.4%の塩を練り込む事が黄金バランスとされているソーセージ
ある時私は、この塩の量を減らしつつ『どこまで塩が入っている時のソーセージの味に近づける事ができるか』試したことがある
その結果としてあるルールを導き出した

それが「味付けを辛さ寄りにするほど塩を減らしても物足りなく感じにくい」という事実
例えばチリペッパー・パプリカパウダー・コショウ等…刺激のある香辛料はピリピリと口内を痛めつける
その陰でこっそり塩自体は減らす するとそれらは少量の塩の味を引き立てつつ、かつ舌にはスパイシーな刺激を残してくれる
それは塩を減らす前とあまり変わりない味で(厳密にいえば違うのだが)、私の舌と脳はそれでかなり満足感を得ることが出来た

辛うま〜い

困ったらスパイスに頼る 減塩の基本だ
私はこの法則に則ってよくチョリソーを作り、辛さで喉のあたりをヒリヒリさせ塩の物足りなさを覆い隠す

そしてソーセージを自分で作ると、思わぬ副産物も生まれる
それが『煮汁』である
この煮汁、腸詰した豚肉を鍋で煮て火を通す行程で生まれるのだが、肉のうま味がたっぷり染み出てめちゃくちゃおいしいのだ

日本の実家で作ってる時

ソーセージ作りを始めて間もない頃、この煮汁をシンクに流して捨てていたら母がぽつりと「出汁が出てるのに勿体無いね」ともらした
言われてみれば確かにその通りだ 何か別の料理に活用できないものかと私は考えた

椎茸と玉ねぎのスープ

そこで生まれたのが煮汁で作る野菜スープ
自分で新たに汁物を作ろうとすると、コンソメや味噌を入れたりどうしても塩分が欲しくなる
しかしこの40分豚肉を茹でた煮汁を使えば、すでに肉の風味とほのかな塩が効いているので調味いらず
余った野菜を雑に切って茹でれば『特製野菜スープ』の完成だ

かぼちゃを入れると甘みが足されてほっこり感が増す

確かに一から作る、コンソメを使ったスープなどよりは味薄だが十分うまい
自分で作ったソーセージの旨みが詰まった煮汁のスープなのだ なんなら愛しさすらある

野菜にはソーセージの煮汁の風味が染み渡り、汁には野菜の風味と栄養が流れて滋養たっぷり
これで野菜をモリモリ食べるのが私は大好きだ

おじやにしてもうまい

冬はここに刻んだショウガやコショウを足して刺激を足せば、内側から体が温まって満足度も一気に上がる
ソーセージを作ることで、野菜がおいしく減塩で食べることが出来る
今後とも継続していきたい私の減塩方法の一つだ

❸カリウムを多く含む食材を採る

先日、私は1本2.5gの塩分を含むサラミを一度で食べきるという明らかな塩分過剰摂取をした

問題の食事がこちら↑(塩分2.5gのサラミ)

この時塩分を何とかするため私はひたすら運動をし、水分を補給
そして塩分を排出する作用のあるカリウムを含む食材を摂取しまくった
カリウムを含む食材は多数あるが、その中でも私が個人的によく食べるのが『カボチャ・じゃがいも・バナナ』である

ドイツのかぼちゃ Hokkaido

ドイツには『Hokkaido』という品種のかぼちゃが存在する
初めてスーパーで見かけた時はワーイ北海道産のカボチャだ~!と浮かれて購入したが、後に有識者から「北海道の種を使っているだけで北海道で採れたわけじゃないです」と教えてもらった

このオレンジ色の西洋カボチャは美味しい上にカリウムがたっぷり
ドイツのどこのスーパーでも見かける上にそこまで高くもならないので私はこれをほぼ家に常備している

茹でたり焼いたりしてソーセージと一緒に頂くこともあるが、私はこれでかぼちゃクッキーを焼く
自分でクッキーを買うよりバターも砂糖も控えめにできるし、その上カリウムも採れる 手間はかかるが私の理想の間食なので苦ではない

これうまい

またクッキーを作る際ペースト状にするにあたり茹でるのだが、そうするとゆで汁に栄養が流れ出てしまうのでこれも残さず頂く
これでコーヒーを作るとかぼちゃの甘みが加わった私好みのほっこりした味わいになるのだ

ドイツ飯の定番 じゃがいも

またドイツと言えばのじゃがいもも欠かせない これもカリウムを多く含む野菜の一つだ
ドイツはじゃがいもがいきなり安い 1kg1€(約150円)で売ってたりする
それがセールになっていると更に安くなるので、その瞬間を狙って3~5kgのじゃがいもを一気に買う 一人暮らしでも意外と消費できてしまう

茹でたり焼いたりマッシュポテトにしたり日常的に食べているが、どの場合も基本塩は使わない 使わずともドイツのじゃがいもは十分おいしい
たまにマヨネーズを和えてポテトサラダ風にしたらもうご馳走だ

そしてバナナもカリウムを含む食材として名高い
バナナはこの3種の中でも特にいい 何故なら剥いたらすぐ食べられるから
茹でも焼くもせずともそのままカリウムが摂取できる優秀なお手軽食材なのだ

しかもソーセージとの食べ合わせも意外と悪くない 甘いしょっぱいの交互食べは少々クセになる
朝食に良し、小腹が空いたときによし
甘いものを欲した時にも大活躍 私の減塩の味方だ

これら三種のカボチャ・じゃがいも・バナナを食べ、たっぷりの水分を飲み、トイレに行って排出する
適切なものを食べ飲んで出す 当たり前の行為が減塩への道を開いてくれる

❹調味料の量を自分で調整する(自炊する)

ここまでで察してる方もいるかもしれないが、私は自分の為の自炊がそれほど苦でない
かといって「めちゃくちゃ料理好き」という訳でもない ソーセージを作る事だけが異様に好きなだけ

なので減塩を考えた時、今すぐに実践できたのが『自分で食べるものは自分で作る』という選択肢
ただあまり手間はかけたくない
ドイツのスーパーにもお惣菜は並んでいるが、私には味が濃いし日本のコンビニお惣菜のように気軽に買える値段でもない
それに買ったものは後から味を出すことはできても引くことは難しい

卵は最強の栄養源

その点、自炊は最初から自分で調味料の加減をコントロールできるのがいい
他で塩分摂取を控えれば、例えソーセージを食べ過ぎても1日の塩分摂取量は5gをオーバーしないのではないだろうか
私は『ソーセージ以外で極力塩分を採らずに食事を楽しむことは可能か』という事に注目し自炊してみることに その結果…

意外とできた 上の写真では塩を一切使っていない
味も全然いけた 野菜も目玉焼きもオイルソテーもしくは茹でるだけでもちゃんとおいしく頂ける
「な〜んだ減塩楽勝じゃん生野菜うまい素のゆで卵最高〜」
と調子に乗った私は『ソーセージ以外で塩分は摂らない、塩を含む調味料は一切使わない』という強気の目標を掲げ、更に自身の減塩に加速をかけた
その結果…

途中でしんどくなった
これは味のしないものを食べるのが辛くなってきたという意味ではない
生野菜も目玉焼きも塩分無しでも食べられるし、多分やろうと思えば継続もできる
ただある時から何故か勉強を始めても長く集中できなかったり、運動をしてもやる気がぷつんと切れたり、どこか上の空になる

この不調をどうしたものかと考えながら、外に散歩に出たり最近食べてない野菜を摂取して栄養の偏りを防ごうと試みたりもしたが大きな変化は得られなかった

そんなある時、ソーセージ休みの日(週1度設けているソーセージを食べない日)に思い切って塩・醤油・マヨネーズなどありとあらゆる調味料を解禁してみた
卵焼きには適量の醤油を使い、コーンにマヨネーズを和えて好物のマヨコーン軍艦を作ってみたりした
その食事のなんとおいしい事か みるみるやる気がみなぎってくる
脳のもやが晴れスッキリして勉強にも長時間集中できるし、サボり気味だった運動も筋トレからクールダウンのストレッチまで気持ちよくこなせる
感動した 食事が変わるとこんなに出来る事が増えるなんて

もしかしたらこれは食事だけが原因ではないのかもしれない
しかし、食後の体や脳がなめらかに動く様は明らかに違う パフォーマンスが上がるとはまさにこの事だと確信した

これはバイトのまかないで大量のフライドポテトが出た時の様子である
学園祭か何か???と思うほどの量だが、私以外のウェイターが大体学生なのでこれは正解なのだろう
そしてこのポテト、めちゃくちゃしょっぱいのである
しかし労働後にこれを摂取した時の脳の喜びようと言ったらすごい
塩分はおいしさもさる事ながら、人間として体を動かす為、頭を機能させる為に必要なものなんだという事を嫌と言うほど知らされる 気づけば学生たちに混じって貪るように食べていた

たこ焼きも出て学祭感が加速していくまかない

ソーセージを食べる事だけが私の目的なら、他の調味料を使わない生活をした方が減塩になるのは当然だ
しかし私はお金を稼がなくてはいけないし、食べたソーセージの事をインターネットで発表する文章も書きたい
お絵描きもしたいしまだまだドイツ語の勉強だってしていかなくてはならない
それらに集中できず、ただやみくもにソーセージを消費するだけでは、私にとってドイツに来た意味がない

調味料は無暗にやめず適量を選べばいい
なんとも当たり障りのないつまんない結果にたどり着いてしまったが、それでいい
つまんない事こそ真実なのだ 多分

という訳で今では『ソーセージ以外で塩分をとらない』という指針は手放し『ソーセージをメインの塩分としつつ、他の料理では調味料の量を都度調整する』という方向に定めている
ソーセージを食べるという事が私の渡独の最大の目的だが、その為に他が苦しくなるのは心も体もヘルシーでない

一つの事に夢中になるのは楽しいけれど、どこかで偏りが出てバランスが崩れてしまう
それを起こさないよう、全体を見てバランスよく、無理な時は何かを手放す
考え続ける事が減塩の道
その方が長くものを愛せるし、ひいては自分が健康でいられる気がしている

まとめ

ソーセージを風呂上がりのごとく首にかける猫

長々と書いたが、私の減塩への道のりはまだまだ終わっていない
将来は塩を極限まで減らした、しかしおいしい減塩ソーセージを作ってみたい
そしたら目玉焼きにソースをかけても、スーパーのしょっぱいお惣菜に手が伸びてもちょっぴり罪悪感が減る
そういう少しだけ幸せになれるソーセージが作れたら、私は幸せだ

来春の帰国予定まであと4ヶ月
ソーセージも、それ以外も、まだまだ楽しみながらドイツ生活を満喫していきたいと思います
ここまで読んでくださりありがとうございました!

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