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プロジェクトを成功に導く8つのポイント(8):小さく作って大きく育てる

メディアではロボットで何百人分もの業務を自動化したなどの事例が躍りますが、RPAはEUC(End User Computing)ツールであり、本来は現場における小さな改善を積み重ねていくほうが適しています。ユーザーが自分でRPA開発をするとなると、学習しながら進めるため、時間がかかってしまいます。しかし、ユーザーがしっかりと学びの時間を経ることが長期的にRPAの「持ち味」を最大限に活かすことにつながります。したがってRPAは「小さく作って大きく育てる」というのが基本です。

「小さく作って大きく育てる」という言葉には2つの意味があり、1つは「小さく始めよ」であり、2つ目は「大きく育てよ」です。

小さく始めよ

RPAは使いながら学んでいくツールです。使ってみないと使えるようになりません。そのためには小さな改善でも構わないので、ロボットを1つ作ることから始めたほうがよいのです。

具体的にはクイックヒットから始めます。そこで練習をした後に効果の大きい改善案に挑戦します。もしクイックヒットがない場合は、一番簡単そうな改善案から始めればよいでしょう。また1つの改善案に対しても、最初から100%を狙うのではなく、1つの取引先だけを対象にスタートしてみるとか、1ヵ月分だけを対象に実行してみるなど、できるだけ簡単に始められるように検討しましょう。

大きく育てよ

さて重要なのはこちらのほうです。システムは作ったら完了と思われがちですが、RPAはそうではありません。自分で少しずつ改善したり、他に拡大したりできるところがRPAの持ち味だからです。むしろ作ってからが勝負となります。ではどのように大きく育てればいいのでしょうか。考えるべき視点は、次の3つです。

①自動化の対象割合を増やせないか

これは自動化できている対象が100%ではない場合に、これを100%に近づけるための検討です。たとえば注文情報をデータで受け取るケースで、最初は一部の主要取引先だけを対象に自動化した場合、この対象取引先を徐々に増やしていくようなイメージです。

同じように、正常処理をロボットが処理し、例外処理を人が担当している場合、ルールを見直したり、RPAの設計を工夫したりすることにより、ロボットの処理割合を徐々に増やすことなどもあるでしょう。 

②RPAの活用領域を拡大できないか

1つの業務の中でも、RPAの活用を広げることができないか検討してみます。たとえば現状は一部の業務にPRAを活用している場合、上流工程や下流工程へもRPAを拡大できないか検討してみるのです。

③同じ機能を他の業務に横展開できないか

RPAには4つの適用パターンがあると以前に説明しましたが、RPAの基本機能には限られたパターンがあります。したがって1つのロボットを作ったならば、その機能を他の業務へ横展開できることが多いのです。

たとえば請求一覧表を自動作成するロボットを作成した場合、他の一覧表も同じように自動化できないか検討してみます。ロボットは1つ完成しているため、インプットとアウトプットは異なるでしょうが、処理自体はほとんど同一の可能性があり、簡単に導入できるかもしれません。

詳しくは下記をどうぞ!

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