キリストの花嫁

(心のとびらを閉じた私、誰も来ぬ凍てついた広間、私は人を拒み孤独を望んでいた)

小さなノックのような音がした
私はその音を些細なものだと無視をした

ノックの音が大きくなった
私は外の様子が少し気になってきた

ノックの音を聞き流せなくなった
私はついに扉を開けた

扉を開けた先には…

男の人が一人立っていた
彼は私に会いにきてくれたようで、
私は彼と恋に落ちた

私は愛する人と蜜月のような時を過ごした
ちょっぴり倦怠期もあったけど

氷の広間はいつの間にか薔薇を飾った暖かい部屋に変わっていた

ついに私はその人に扉の鍵を渡した

「いつも私のところにいてください」

そして、彼と婚約の誓いをした
「私があなたの元へ行けるまで、私は私の貞潔を守ります」

彼の花嫁となる私は、
溢れる水で身をきよめ、白い衣を着て、紅を塗り、
彼と結ばれることを強く願った

2023/11/18 作