Dr.レイシオが好きだという話。
僕は賢い人間、聡い人間が行う自己犠牲が大好きだ。非合理的でどこまでも終わりがなくて報われないことが多い。それでもその選択を取る、愚かな秀才がたまらなく大好きだ。
崩壊スターレイル内に登場するキャラクター、Dr.レイシオ。いわゆる秀才で、バカアホマヌケ(愚鈍)を嫌っている。知恵の神に認められようとしているが、未だ認められていない。
一見すると絶対友達になりたくないタイプなのだが、このキャラについて深堀りしていくにつれて、終わった性格の持ち主でないことが分かっていく。
彼は愚鈍の民に対して「愚鈍は病。救わなくてはいけない」という価値観を持っている。自分の教育(というのか?)によって愚鈍をこの世から滅ぼそうとしている。はっきり言って無茶。合理的な性格とは真逆に非合理的な所行を絶えず行っている。報われることはないと頭のどこかでは分かっていながら。
僕は、これが彼の「人情」から来ているものなんだと思う。思うというか公式が出している気がするけれど。
真の天才である「ヘルタ」というキャラがいる。ヘルタに人情など全くない。人が愚かなんてどうでもよくて、なんなら自分の好奇心だけにしか焦点が当たっていない。心の矢印は完全に内側に向かっている。
対して秀才「Dr.レイシオ」は、実は外向きにも少しだけ矢印がある。レイシオは他人が愚かでることが許せない。同じようなキャラクター性をしているが深堀りすると全然違うキャラということが分かる。
さっきからレイシオのことを天才ではなく「秀才」と表現しているのは、彼に人の心(天才のような非人間性がない)があるから。「崩壊スターレイル」内での天才の枠組みとして、何にも左右されず純粋に自分の好奇心に忠実な、そして卓越した頭脳を持った人間というのがある。レイシオは他人に左右されるので、ギリギリ天才ではない。
また、スターレイル世界の中では「天才は神に認められ、知りたいことを一つだけなんでも知れる」という制度がある。(知恵の神の場合なんだけどネ)要するに天才を名乗る許可証みたいなものだが、レイシオは神に認められていない。死ぬほど努力しているのに、だ。
結局のところ天才条件①の「他人に左右されず」をクリアすればいいだけなので、人情を捨てれば簡単に神に認められるのに、人々を愚鈍から救わなければならないという一種のレイシオによる優しい自己犠牲。そんな矛盾を抱えているレイシオが、たまらなく好きだ。
〜公式セリフより〜(天才スクリューガムに対して)
(僕を見ていると)様々な茶番と苦悩が見れるだろう。
…所詮、凡人だからな。