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中国鉄道240億円賠償で中国大崩壊…

ハードロック工業は
大阪府に本社を構える工業用ナットを
製造するメーカーです。
 
当然、大音量でギターをかき鳴らす方の
ハードロックではなく
固く繋ぎ止めるという意味の社名は
 
商品であるナットにも冠されており
「ハードロックナット」は
世界でもこの会社だけが作ることのできる部品です。
 
このハードロックナットがどのくらい凄いのか
に加え、安易に真似した製品を作ろうとした
中国メーカーがどうなったのかをご紹介します。
 
私たちの生活において
家電や乗り物と言った製品は
必要不可欠ですよね。
 
そしてそれらの製品には必ずと言っていいほど
ネジやボルトが使われています。
 
ネジやボルトはしっかり締めたつもりでも
気づかないうちに緩んでしまい
不幸な事故につながることもしばしば…
 
そんな悲しい常識を「絶対に緩まないナット」で
ガラリと変えてしまったのが
ハードロック工業なのです。
 
現在では日本の新幹線をはじめ
世界の工業を支える存在になったこのナット
 
その発想の原点には鳥居があったと
ハードロック工業の社長である若林氏は語ります。
 
「自宅近くの住吉大社に立ち寄った際
大鳥居を見上げてハッとしました。
 
ああいうクサビを打ち込めば緩まないのか、と。
今思えば神様からのお告げだったのかもしれません」
 
アイデアはとてもシンプルで
ナットとネジの間にクサビを打ち込んで
緩み止めの効果を発揮させるというもの。
 
ですが、施工現場でナットを使うたびに
クサビを打ち込むのは非効率ですよね。
とても現実的ではありません。
 
若林氏は、どうしたらナットに
クサビの役割を持たせられるか
考えたと言います。
 
そうして考え付いたのが
1本のボルトに「凸凹」形状の
2つのナットと使う方法
 
2つのナットががっちりかみ合えば
緩みがまったく起きなくなるのです。
 
価格は普通のナットの
4倍から5倍とかなり高めですが
 
一旦締めればメンテナンスは不要、という利点は大きく
保守点検に必要な費用を大幅にカットできるため
国内外から注文が絶えません。
 
1976年に関西の大手私鉄から
電力設備向けに採用されて以降は
 
これまでにオーストラリア、イギリス、ポーランド
中国、韓国の鉄道で採用されています。
 
さらに、イギリスで鉄道事故が起きた際には
検証するドキュメンタリー番組で
「ハードロックナット」の有効性を紹介され
 
「なぜイギリスでは扱わないのか?」と
問題提起した結果、同国の鉄道が一斉に採用に踏み切った
という話まであるのです。
 
鉄道の他にも、日本では
世界最長の吊り橋である明石海峡大橋や
自立式電波塔として世界一の東京スカイツリーで採用
 
アメリカのスペースシャトルの発射台や
海上掘削機など世界各国・地域で使われています。
 
工業に大変な革命をもたらした
ハードロックナットですが
 
こんなに素晴らしい発明品であるにもかかわらず
模造品はあまり出回っていません。
 
それはなぜなのか?
もはや当たり前のようにパクろうとした結果
痛い目を見た中国メーカーの話と一緒にご紹介します。
 
中国のとあるメーカーが「ハードロックナット」を
自社でも開発したとして発売しました。
 
当然のように日本のハードロック工業が
公開している設計図を使い
開発費を抑えたことで、安く売りだした模造品
 
コストが安くなるのならと
まずは中国の高速鉄道で
使われることになりました。
 
日本の新幹線でも16両編成の車体には
200近いボルトとナットが使われていますから
 
それがほぼこのメーカー製に置き換わったとすれば
その利益はすさまじいものだったでしょう。
 
しかし、そんな夢のある話は
あっという間に覚めてしまうことになりました。
 
中国製ハードロックナットを使った
鉄道が次々と事故を起こし
問題になったのです。
 
設計図を見てそっくりに作っても
細かな調整やそもそもの材料の質の違い
あらゆる面で差が出てしまうのは当然の事でした。
 
しかしそれが理解できなかった
中国メーカーは多額の賠償金を請求され倒産
 
しかも、これは1社だけに留まらず
複数のメーカーがハードロックナットを
模造しようと挑戦し失敗、倒産していったのです。
 
その結果、ハードロックナットの模造品は
大々的に出回らなくなり
その技術力の高さがより際立つことになりました。

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