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SENDAI COFFEE STAND

"一杯のコーヒーが街を豊かにする"
お店を持たず、カードバイクでのコーヒー販売からはじまり、コーヒーを片手に街を歩くという、それまでと違った切り口でコーヒーやカフェの楽しみ方を提案してきたコーヒースタンド。経験のないところからコーヒーショップを立ち上げた当時のことや、イベント等を通して繋がった仲間たちとのお話などを伺いました。

-- ここにお店を出したいきさつを教えてください。
このコーヒー屋は、もともと別々の仕事をしていた友人四人で始めたお店です。実は、はじめからコーヒー屋をやろうとしていたわけではなかったんです。四人で「何かおもしろいことをやろう」と集まって考えている時に、公園やいろんな場所に行っておいしいコーヒーを売り歩くというアイディアがあったんです。ちょうどその頃、代表の本郷が海外でカーゴバイクでコーヒーを売っているのを見てきていて、自分たちに合うんじゃないかということで、そのアイディアを具体的に計画して、売り歩いたのが始まりです。徐々にイベントにも出させてもらうようになって、約半年後にこの場所にお店を出しました。

-- ここは前は何のお店だったんですか。
ここはもともとワインバーでした。僕は前に料理やワインの仕事をしていて、そのバーのオーナーさんとも知り合いでした。その人はこのあたりのお店の人たちにとって兄貴分みたいな存在で、その人がお店を辞めるという時に知人づてにこの場所を紹介されたんです。オーナーさんのことも知っていたし、そういう愛着のある場所のバトンを引き継ぐような形でお店を始めることができたのはありがたいですね。

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-- お店で豆を焙煎していますが、バイクの営業だけの頃も豆を焙煎していたんですか。
自分たちの特色を出すためにも、はじめから自分たちで焙煎したいと思っていました。バイクで営業を始めるには、焙煎機を持っていないどころか、コーヒーについても知識や経験もなかったので、メンバーの同級生でもある「珈巣多夢」の伊藤さんに豆の焼き方を教えてもらって、焙煎機を借りて焚いていました。当時は四人それぞれの元の仕事と掛け持ちだったから、仕事が終わってから夜な夜な珈巣多夢さんに集まって作戦会議をしていました。

-- コーヒーを目当てに来るお客さんが多いですか。
それもあるけど、お店自体に興味を持ってくれる人も多いです。今日も店内でイラストレーターさんの展示をやっているけど、そういうのに興味を持って来てくれる人もいます。コーヒーが苦手な人にもお店に来て楽しい時間を過ごしてほしいし、僕らのお店をきかっけに、コーヒーや仙台のカフェに興味を持つ人が増えたら嬉しいです。

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-- お店を始めた頃と比べてコーヒーとの向き合い方で変わったことはなんですか。
コーヒーは人によって好みが多様だということと、必ずしもコーヒーだけで美味しっていうことじゃないんだということに気づきました。素敵な音楽を聞きながら飲む一杯、大切な人と飲む一杯、お気に入りの席で飲む一杯、いろんな美味しさがありますよね。自分たちも、お店を始めた頃は、コーヒーで勝負して、うちのコーヒーが一番美味しいと言われたいという思いが強かったけど、今はその人にとってお気に入りの一杯を見つけてほしいと思うようになりました。だから、お客さんの好みを聞いて、その人に合いそうな知り合いのお店をどんどん紹介しています。

-- そういう気持ちの変化は、いろいろなイベントに出店していることも影響していますか。
そうですね、イベントに出店してお店の人と間近に接することは刺激になります。そういう出会いの中で、僕もたくさんの先輩達から教えてもらっているし、僕も聞かれたら教えます。そういう教え合う文化が今のコーヒー界隈の特徴だと思います。下積みがなく、自転車で売り始めた僕らみたいな異端児にも同等に接してくれる先輩や仲間がいたから、今までも続けて来れたと思います。先輩達が僕たちにしてくれたように、僕たちも、これからコーヒー屋を始める人や、このあたりでお店を始めようと思っている人にとって、助けになることや応援できることがあればしていきたいと思います。

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-- このあたりの街の雰囲気をどんなふうに見ていますか。
料理の仕事をしている時から、個性的な先輩達がお店を構えるエリアだと思っていましたが、コーヒー屋を始めてかも、オーナーさんの顔で商売をしている雰囲気は強く感じます。それに「〇〇の街」みたいなジャンルで括れない魅力のあるエリアだと思います。

-- これからやりたいと思っていることはありますか。
オープン当時はお店の前の歩道にも客席をおいていたんですが、あれをまた復活させたいですね。外で気軽に飲みたい人、気兼ねなくおしゃべりをしたい人、お店の中に入るのに気を遣うペット連れや子ども連れのお客さんに外の席は人気でした。BGMに合わせて踊り出すカップルもいたりして、びっくりしたけどすごく素敵な風景でしたね。あの風景をもう一度作りたいので、最近は、肴町公園のイベントの時に数日だけ役所や警察から許可を取って、歩道の客席を復活させる実験をやっています。それを続けて、ああいうことをやりたいと思っている他のお店とも繋がって、この通りだからこそできる風景を作っていきたいですね。

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店舗情報
SENDAI COFFEE STAND
住所:仙台市青葉区国分町1丁目3−12 スキャンダルキッズビル1F
TEL 022-797-1015

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