見出し画像

Elevation 5

肴町公園の目の前にあるビルにお店を構えていたElevation5さん。仙台市内で長らくお店を続けてこられて、2020年の1月に「卒業」してお店も閉店しましたが、オーナーの日野さん(以下「H」)は、公園の目の前という立地に惹かれてここにお店を移転したそうです。

-- 公園が目の前にあって、開放的で素敵なお店ですね。このお店を始めたきっかけを教えてください。
このお店を始めて24年になります。最初は本町の方でお店をやっていて、ここに移ってきたのは5年ほど前です。お店を始めた当時、仙台には今ほど海外ブランドの子ども服がなくて、よく東京に買い付けに行きながらお店をやっていました。その後何回かお店を移転したのですが、子ども服売っていたこともあって、子どもが気持ちよく過ごせる公園の近くでお店をやりたいという想いがずっとありました。そしたら、お客さんの知り合いの不動産屋さんにここを紹介されて移転してきました。

画像3

-- 子ども服のお店を始めたきっかけはなんだったんですか?
アメリカに少し住んでいた時があって、その時に日本にいる友人から「子どもに着せたい服がなかなか手に入らないから送ってほしい」と言われて、アメリカで買った子ども服を友人に送っていました。それがとても喜ばれて、自分でもすごく楽しかったんです。帰国後にOLをやっているうちに、主人と話してお店をやろうということになって、二人とも販売の経験はなかったのですが、子ども服ならやれるんじゃないかと、甘い考えでお店を始めました(笑)。お店の準備をしているうちに子どもができて、お腹が大きい状態でお店をはじめました。商品は子ども服から始めて、今は生活雑貨の割合も多くなっています。生活の中で使えるものを扱っていて、自分で使って納得したものを置いています。

-- お店の名前の由来はなんですか?
もともとキャンプや山が好きで、10年前に山の方に中古のお家を買ったのですが、それにちなんで付けました。その家が標高(Elevation)500mということと、私のラッキーナンバーが「5」ということから、割と単純な理由で名前を決めました(笑)。それと、Elevation には「上昇」という意味もあって、落ち込んだりうまくいかない時もあるけど、また上昇できるよ、というポジティブな気持ちも込めています。今の店名はここに移転してから付けたのですが、前のお店の客さんがここを見つけやすいように、kid’ s mart という 以前のお店の名前も引き継いでいます。

画像3

-- どんなお客さんがいらっしゃいますか?
最初の本町ではアメリカン・カジュアルな子ども服が好きなお母さん方が中心でした。アーケードに移転してから生活雑貨を扱い始めたので、そのあたりから30、40代のお客さんが来てくれるようになりました。

-- アメリカに住んでいたということですが、お仕事で行かれていたんですか?
特に何か目的があったわけではないんです(笑)。主人が変わった人で、若い頃から仕事の傍にアメリカをバイクで一周するような人だったんです。彼がまた渡米するという時に私たちは知り合って、「アメリカを一周
すると人生が変わるよ」と言われて、それまで働いて貯めたお金で付いて行って、アメリカ中を見て回りました。昔のビザだったので、半年間アメリカに行って日本に戻ってきて、また行って戻ってきて、というのを繰り返し
ていました。

-- アメリカで印象的だったことは何ですか?
ロスに住んでいたのですが、ロスは公園でも海辺でもゴミ箱がきちんと置いてあって、ゴミがほとんど落ちていないんですよ。そのゴミ箱には企業の広告が付いていて、綺麗に管理されていました。みんなが安心して思い思いにくつろいでいるのが印象的で、そんな公園のイメージがあったから、いつか公園の前でお店をやりたいという想いがあったんだと思います。

-- お店を経営するようになって、自分の生活にどんな影響がありましたか?
お店を始めたのはアメリカでの生活が大きく影響していて、自分自身が人間として自立したように思います。アメリカに行っていなかったら、普通にOLを続けて結婚していたでしょうね。お店を始めてからは毎日が楽しくなりました。お店に来た方とお話をしているのがとても楽しいです。近くのお店の方とも仲が良くて、日常的にお話することが多いです。

画像3

-- この辺りをどういうエリアだと感じていますか。
最近は若いオーナーさんたちが古い建物にお店を構えたり、カフェも増えて、この辺りを回遊している人が増えたように思います。仙台は古い建物がなかなか残らないのが残念ですね。戦災の影響もあるのでしょうけど。その点、山形や盛岡は古い建物が残り、うまく使われているなと思います。

-- 今後のお店の展望を教えてください。
ふらっとお店に入って来たお客さんが、小さくてもいいから何か発見があるようなお店にしたいですね。入りやすいお店でありたいです。この場所に移転してからお客さんの年齢層も幅広くなったので、商品のラインナップを試行錯誤しているところです。

(この記事は2019年4月に取材したものです。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?