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両親の喧嘩がもたらす子への影響

私の『生い立ち』④

皆さんも子供の頃に両親の喧嘩を見た事はあるだろう。
もしくは子供の前で喧嘩をしてはいないだろうか?
親にとっては人間だから喧嘩くらいするだろうし、どこの家でも
そんなのはある事だと思っているだろう。
でも子供の立場からすると、それが人格形成に影響を及ぼす事もあると知っていて欲しい。

私の幼稚園生活は前回に書いた通りである。卒業時に母が園長から「この園が創立してから、お宅の娘さんが最多欠席賞ですよ」と嫌味を言われたくらいだ。
しかし小学校に入学すると、私は休まずに登校出来るようになった。
1,2年の低学年の頃は、一緒に登校してくれる友達がいたからだ。
その子が父親の仕事で、3年になる時に転校するまでは順調だった。

しかしその頃になると、別の問題があった。両親の喧嘩だ。
私は家庭が複雑だったからか、心が苦しくてなのか分からないが
記憶があいまいだったり、忘れている事がよくある。
両親の喧嘩がいつからあったのかは覚えていないが、小さな頃から
1人で耐えていた事や感覚は覚えている。
きっと幼稚園の頃から、両親の喧嘩は見ていたのだと思う。

父親は浮気に借金と酷い生活だったし、家にいる時は来客の時以外は
たいてい自室にいた。飲み水すらも人に持ってこさせるような感じだった。
母はそんな父に不満だったろうし、ワンオペ育児もありストレスで一杯だ。
それだから、何となしに喧嘩は始まるのだ。
口喧嘩になり、父が声を荒げ始める。それでも負けん気の強い母は食い下がり、そして暴力沙汰に発展する。

父が母に物を投げる。ガラスが割れたり、壁に傷がついたりする。
母が広いお屋敷中を逃げて回る。母の泣き叫ぶ声が聞こえる。
私は心配でそっと息を殺しながら、移動する両親を追いかけて物陰から見守っている。
いつも最後は母が黙るまで暴力を振るい、だまったら父は自室へ戻って行く。
そして私が泣いている母の傍へ駆け寄り、母は子供の為に何事も無かったように日常に戻る。
私が今でも強烈に覚えているシーンが2つある。

1つは私が母とお風呂に入っていた夜の事。おそらくその前から喧嘩は始まっていたのだろう。腹の虫が収まらない父がお風呂場に入ってきて、湯船につかる母の頭を洗面器で思い切り何度も叩いた。身長180㎝で体重100㎏超えの大男が、裸で逃げ場の無い母親に対して力一杯に洗面器を振り下ろす姿は
今でも許せない。
頭皮が痛い母は手で頭をかばったが、その手からは血が流れていた。
父が去って行った後に、母はその流血した手で顔を覆い声を上げて泣いていた。もうお風呂のお湯も冷めていた。
私は何も出来なっかったし、ただ悲しかった。どうして良いのかも分からなかった・・・

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