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11月の関東遠征(2日目)横須賀美術館「運慶展」・神田の古本まつり

 本日は鎌倉観光からスタート。鶴岡八幡宮に行くために海沿いの道を通ると、江ノ島と富士山が両方見られてハッピーな気持ちになった。昨日の大雨と打って変わって好天だからこそ見られた景色。海にはサーファーもたくさん浮かんでいた。海は私たちがよく見る海と違っていた。サーファーがいるあたりからしてまず違うんだけど、頭へ降り注ぐ日差しが違う。強い日差しに照らされた海の色と白波のコントラストが、いつも見る海より強く感じられた。


 横須賀美術館で展示を見る予定にしていたので、美術館に行くとちょっとした事件。今日は文化の日で、この美術館は無料開館をしていたのだ。よってものすごい人の入り。なんと開館時間に行ったのに、駐車場に入れなかったのだ(そもそも通常広大な駐車場が料金無料で使える、我々のような地方と同じ感覚で物事を捉えてはいけない)。駐車場前でいつ空くともしれない待機スペースで待つ。ここに来る前のコインパーキングに駐めてくればよかったな、失敗したな…と思った。でも、美術館の前はオーシャンビュー。大きなタンカーも横切る壮大な海。絶え間なく打ち寄せる波とその音。これを間近に車の中で、本を読んで待っているのはある意味、新鮮だった。結局、駐車場の待機時間も30分くらいですんだ。意外とすんなり入館できてよかった。

 

横須賀美術館「運慶展」


 文化の日の無料開館で中はすごい人だった。運慶作の立像のコーナーは一方通行の入場規制がなされていた。でも運慶作の阿弥陀三尊像、毘沙門と不動明王立像が一列並びでむき出しに展示されており、単眼鏡で細かく観られた。
 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも重要人物だった和田義盛ゆかりの薬師如来像も別のエリアに展示されていて、興味深かった。

 ちなみに運慶展とは別の展示室で同時開催されていた「瑛久展」も同じく無料観覧ができた。視覚から体にしみこむあたたかさみたいな、面白い感覚を覚えた展覧会だった。


 そこから都内に戻って、神田の古本祭へ。
 

神田の古本祭


 憧れていた古本祭へ。神田の古本街は一度来たことがあるが、祭自体はこれが初陣である。現地で旦那とは別れて各自探検。道に並べられたワゴンを取り囲むように人々が群がっている。地方から来た私はそれだけで圧倒されてしまった。

 だいたい一直線上に歩き終わって、前に行ったことのある、通りの裏の本屋に行ってみようと思った。「加賀藩御用達菓子司 森八」を見つけてほっとしながら、その通りに入っていく。ガチャガチャ専門店やら新品の本だけ扱う本屋をながめながら歩くと、望んでいた本屋は今日は閉店していた。残念。
 
 結局、屋外に並べられた本棚から本を買うことなく、店舗の本を買って終わった。祭に来た意味はあんまりなかったかもしれないが、祭りで大切なのは雰囲気を味わうこと。行けてよかったと思う。

 

買った本


(PASSAGEにて)
「おうし座の人向けの本」(?)

中身は家に帰ってから開けてみた。かなり分厚い短編集が入っていた。これから読むのが楽しみ。


 きれいにラッピングされた本で中身は開けてのお楽しみの本だった。表にしおりのようなメモ書きが。「おうし座」のシールが貼ってあったので、おうし座生まれの私は買ってしまったのだが、面白いかは読んでみてからのお楽しみ。
 ブックオフにも中身がわからない状態の本を買う「本みくじ」という商品やプロが自分に合った本を選んで送ってくれる選書サービスなんてものも現在はあるけれど、わくわく感半端ない。


(SOLIDAにて)
木下龍也「オールアラウンドユー」
 最近短歌が流行っているとは言うけれど、自分自身は特に興味を持ってはこなかった。ここの本棚でこの本を何気なく手に取ってみると、味わい深いとアンテナに引っかかってしまい購入を決めた。初めて買った短歌集。じっくり読むのが楽しみ。

別のお店で表紙が茶色のものを見かけた。中身が違うのかと思ったが、表紙の色が全部で5種類あるらしい。


文月悠光「パラレルワールドのようなもの」
 翻訳家・金原瑞人さんの本棚で見つけた本。金原氏の翻訳した本を過去に読んだことがあって、勝手に親近感を覚えてこの本棚からこの本をチョイスした。まだ立ち読みした段階だが、この本は自分の肌に合うと思う。

PARCO出版「アンソロジー おやつ」
食べ物のエッセイが詰め込まれた、おやつ箱みたいな本。食べ物エッセイに最近はまっているので、どうしてもこのジャンルの本を手に取ってしまうのだ。食べ物エッセイは外れないし、不幸な話も気が滅入ることも少ない、心の安定剤。一日一編読んだら、一ヶ月くらいは楽しめそうな厚みである。これも楽しみ。

(3日目に続く)

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