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コーポレートガバナンスとmanagement control system

コーポレートガバナンスとは、企業経営において公正な判断や運営がなされるよう、監視・統制する仕組みのことです。一方、management control systemとは、経営目的を達成するために利用される情報ベースの仕組みのことです。コーポレートガバナンスは、外部から企業の経営を監視する仕組みであり、management control systemは、内部から企業の経営をコントロールする仕組みであると言えます。

コーポレートガバナンスとは、企業経営において公正な判断や運営がなされるよう、監視・統制する仕組みのことです。コーポレートガバナンスは、企業の不正や不祥事を防ぎ、競争力や収益力を向上させることで、長期的な企業価値の増大に寄与します。コーポレートガバナンスには、以下のような方法があります。

  • 組織型コーポレートガバナンス:トップマネジメント組織を通じて行われる方法で、取締役会や監査役会などが重要な役割を果たします。取締役会は経営戦略や重要事項の決定を行い、監査役会は経営者の監査や内部統制の評価を行います。日本では、2015年にコーポレートガバナンス・コードが施行され、取締役会の機能強化や社外取締役の任命などが推奨されました。

  • 市場型コーポレートガバナンス:市場型コーポレートガバナンス:証券市場を通じて行われる方法で、株主や投資家が企業の経営に影響を与えます。株主は株主総会で議決権を行使したり、経営者に対して買収や提案などで圧力をかけたりします。投資家は企業の情報開示や株価動向に基づいて投資判断を行います。アメリカでは、1980年代から企業買収が活発化し、経営者は市場からの評価や圧力に応える必要が生じました。これにより、市場型コーポレートガバナンスが発展しました。

  • インセンティブ型コーポレートガバナンス:経営者に対し経済的インセンティブを付与する方法で、株式報酬やストックオプションなどがあります。これらは経営者の利益と株主の利益を一致させることで、経営者のモチベーションやパフォーマンスを高める効果が期待されます。ただし、インセンティブ型コーポレートガバナンスには、短期的な利益追求やリスクテイクの誘発などの問題も指摘されています。

経営者にはコーポレートガバナンスが求められますが経営者が従業員のコントロールを行う時にはmanagement control systemsが用いられます。

management control systemとは、経営目的を達成するために利用される情報ベースの仕組みのことです。management control systemには、行動コントロール、結果コントロール、環境コントロール(人事、文化コントロール)の3つの手法があります。

行動コントロールは、従業員の行動に働きかける方法で、マニュアルや規則などで行動を均一化します。
結果コントロールは、従業員に目標と評価基準を設定し、自主性や成果主義を促します。
環境コントロールは、経営理念や企業文化に共感したメンバーを集め、組織力を高める方法です。人事コントロールは、採用や配置・昇進・退職などで従業員の質やミックスを調整します。文化コントロールは、共通の価値観や信念を形成し、従業員の行動や意思決定に影響を与えます。環境コントロールは、行動コントロールや結果コントロールと異なり、従業員に対して直接的な指示や評価を行わない方法です。

この様にポジションによるmanagementにおいても様々な方法があり、正解がありません。最適解を常に見つける事が求められます。


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