見出し画像

今日のインコ 通院2回目

今日は梵助と2回目の病院に行ってきた。といっても、梵助の身になにがあったわけでもなく。前回の初診から丸3ヶ月が経って、爪切りしてもらうついでに、先生に様子を見てもらった。

飼い主が意気揚々と「飛べるようになりました」と先生に伝えるも「それはいいことですね」と至って冷静な反応。「陰転も近いですね」みたいな甘い励ましはない。まだまだ油断ならないということなのだろう。

さて、梵助との通院で、大変なことのひとつは、キャリーケージに入ってもらうことである。

できる飼い主とインコは、多分、「指示でケージに入る」という訓練もできるのだと思う。だが、いまの私と梵助にそのスキルはない。

前回は簡単だった。梵助は飛べなかったから。手に乗ってもらって、ひょいとキャリーに入れてしまえば、彼的には成す術もなかったわけである。

でも、今の彼は違う。
飛べるのだ。

試しに、前回同様、手に乗せてキャリーに入ってもらうことを2回試みた。2回とも、飼い主がキャリーの方を向く前に、飛び立ってしまった。予想通り。予想通りすぎて、ニコニコしてしまう。

梵助、飛べるんだねぇ…。よかったねぇ。
飼い主嬉しすぎて、泣ける。

しかし、そう言ってはいられない。梵助が患っているPBFDはウイルス性。ほかの鳥さんと同じ空間にいると伝染してしまうので、時間を分けた専用の診察時間でしか病院に行けない。新型コロナのときの発熱外来みたいなもの。
なにが言いたいって、つまり「時間厳守」なのだ。

今や自由自在に飛べる梵助に対して、飼い主の叡智をもって全力で挑まなければならない。

手に乗せてキャリー作戦を2回繰り返した後、彼は床に降りた。

完全遊びモード発動である。

時計を睨んで焦る飼い主をよそに、めちゃめちゃ楽しそうに、床を走り回る梵助。飼い主の足から30センチくらいのところで、立ち止まっては、「ニヤリ」という表情で飼い主を見上げる。

飼い主が屈んだり、距離を詰めると、走って逃げる。机やら椅子やらの下に入って、反対側から出たり、同じ方向から出たりして、飼い主をおちょくる。

それでも隅に追い込まれると、手の届かないところまで飛ぶ。降り立った梵助はもう誰がみても「ドヤ顔」。

正面からの勝負では、人間はインコに勝てない。

でも、飼い主だってそれなりに長く生きてる人間だ。

手に乗せてダメ。追いかけっこがはじまる。
こんなことは、想定の範囲内。

私が用意したのが「銭湯で買ったペラッペラのタオル」だ。タオルを持って行くのを忘れたばかりに、買わなければいけなかったタオル。普段なら絶対買わない、この、もう透けてるじゃんという、体を拭くにはややゴワゴワペラペラのタオルが、小さい生き物を捕まえるのには適している。

まずは梵助と楽しく追いかけっこをし、彼のHPを削る。
そうして、ちょっと疲れてきたところを壁際に追い込み、彼が飛び立つ前に、タオルをそっと被せる。
体の自由と視界を奪われた梵助が、事態を飲み込むより前に、タオルごとそっと体を包むようにして捕獲。
キャリーケージに入れて、そっとタオルだけ抜き出す。

終始そっと、がポイントである。

完璧だった。

全国のインコ捕獲に悩んでいる飼い主さんには、ぜひ参考にしてほしい手法。

梵助は呆気なくケージに収められて動物病院に時間通り到着。

ケージ・車での移動も、爪切りも無事に耐えた梵助。
今日もインコ界で一番すごいぞ(飼い主評)と、褒める。

疲れたね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?