とんぼに乗って
軽くなった君の手を
最後ににぎって
重くて切ない
ポンと肩におかれた君の重さが
永遠になった日
あるじをなくしたエプロンの
悲しみに寄りそう椅子を見ていた
薄暗い台所で
なにも変わらない玄関先で
いつもの声を待っている
そして気がつく
もうそこにいないこと
勢力を保ったまま
熱いものが
もうすぐ心臓あたりに上陸します
とんぼに乗ってお経を聞きに来た
信心深いたましい
また会えたねってみんなで笑う
宇宙のへりで
いつか君と待ち合わせ
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