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米国ロースクール留学中の社会人による米国法や米国社会、文化に関する考察です。自身の備忘…

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米国ロースクール留学中の社会人による米国法や米国社会、文化に関する考察です。自身の備忘録として投稿していきます。

最近の記事

Education in the U.S. 【後編】―出自の持つ宿命性ー

時間が空いてしまいましたが、学校のイベントの一環で行った、今住んでいる街の高校でのボランティア経験をベースに、高等教育以前の家庭教育等について考えました。 Origins determine fates 米国は同じCityの中でも完全にエリアによって生活水準、ひいては人種構成が分かれている国である。日本も多少はそうで、勿論住むエリアによって、雰囲気がハイソだったり下町だったり、高級住宅街だったり炊き出しがよく行われるエリアだったりと特徴が異なるが、米国の場合はその差が著し

    • Private Writing ー思考の整理術ー

      今季はPublic speechスキルに関する授業を取っており、そこで伝授された思考整理法が面白かったので、備忘として残します。 Private Writing ① テーマを決めて、それについて4‐5分間一気に思いつくことをただ書き下す タイプでもいいが紙の方がベター。 書くスピードは通常の倍。とにかく早く書く。深く考える間を与えないのがポイント。 手を止めてはいけない。何も思いつかない時は、ひたすら点や線を書き続ける。 ②次に、①で書き起こしたことについて、別角

      • Education in the U.S. / 米国教育の特徴【前編】

        法律とは少し異なる話題ですが、ロー生活を通して感じた米国高等教育の特徴や、先日高校にボランティアに行って感じたこと等をまとめました。 ※書いていて長くなったため、前編は高等教育についてのみです。 米国高等教育の特徴いわゆるトップスクールは私立大学が大半 公立大学の有名校はUCシリーズやミシガン大ほかで、数では圧倒的に私大が多い。トップロースクール群T14のうち、公立大学はミシガンとバージニアのみ。米国は日本の私学助成金のような経常補助がなく、公的補助は連邦政府や州政府から

        • AI Law / AIと法律に関する考察

          2023 Fallに受講したAI Lawの講義などAIに関する考察について、遅まきながらWrap upしてみました。大きなテーマのため、後日加筆するかもしれません。 AIとHuman Loop まず第一に、AIは人間の意思決定をReplaceし得る技術のため、影響を及ぼす法律の範囲が非常に広い。AI Lawは単にAIの規制だけを指すのではなく、AIは刑法、労働法、Housing、Copyright Law、武器関連法のほか、当然憲法の言論・集団結社の自由や匿名でいる自由(

        Education in the U.S. 【後編】―出自の持つ宿命性ー

          Federal Advocacy ―日米の政策決定過程の違い―

          2025年春学期にFederal Advocacyという授業を履修した。DeepLにこれを訳してもらうと連邦政府の提言となったが、少し訳が違うと思う。Advocacyに完全に合致する日本語は思い浮かばないが、これは自らの信条の実現手段、行政や立法府、ひいてはPublicへのアプローチ手法を指す。この授業は、米国の政策決定過程やそれにどうLawyerとしてアプローチしていくのか、という手法を勉強する授業で、実際にCommitteeを想定したMock-Hearing(模擬公聴会)

          Federal Advocacy ―日米の政策決定過程の違い―

          アメリカでアジア人女性でいること

          ※以下は筆者個人の意見であり、特定の団体・組織の意見を代表するものではありません。また、特定の人種等に対する差別・偏見を助長する意図も全くありません。一個人の体験談・意見として受け止めて頂けると幸いです。 アメリカにアジア人差別はあるか? 私の体験上、残念ながらアメリカの一部の人にはアジア人に対する差別意識があると言わざるを得ない。私はアメリカで一人暮らしをしているが、外国人の・アジア人の・女性が一人でいると時々不当と思われる扱いを受けることがある。 例えばスーパーのレジ

          アメリカでアジア人女性でいること

          Outer Space Law /米国宇宙法に関する考察

          2024 Springに受講したOuter Space Lawクラスに関する考察・振り返りです。宇宙法の概要説明ではなく、授業を受けての自身の考察になります。 宇宙法は、Outer Space Treatyを軸とする複数の国際条約と、それに基づく国内法により構成される。法整備の成り立ちとして、宇宙は政府主導のプロジェクトであったが故に、技術開発と法的発展が並行して進んでいる。また、統治の仕組みとして国連にCOPUSというCommitteeを有しており、この点原子力とも共通性

          Outer Space Law /米国宇宙法に関する考察