見出し画像

#20 沼り人へ

以下は、アンナ・レンブケ著『ドーパミン中毒』からの抜粋である。

人は「推し」に夢中になると昼夜を忘れ、やがて「沼」にハマってしまう。その鍵を握るのが「脳内快楽物質」ドーパミンだ。恋愛、セックス、買物、ゲーム、SNS、酒、ギャンブル、薬物…    快楽をビジネスにする「ドーパミン経済」の渦中で、現代人が陥る依存の対象は数限りない。

脳内では快楽と苦痛が同じ場所で処理される。このメカニズムは人間が存続するために必要なものだ。快楽がなければ食べることも生殖もしない。苦痛がなければ傷や死から自分を守ろうともしない。これをうまくコントロールすることで、終わりなく努力し、常に新しいものを探し求めるようになる。ものがない時代にはこれが上手く機能してきた。
ものが溢れる時代、簡単に快楽にアクセスできる時代ではこのメカニズムが問題になっているのだ。快楽と苦痛はシーソーのように働く。私たちの脳内にシーソーがあると想像してみよう。何も載っていなければ地面と平行だ。私たちが快楽を感じると報酬回路にドーパミンが放出され、シーソーは快楽の側へ傾く。シーソーが傾けば傾くほど、早く傾けば傾くほど強い快楽を感じる。しかし快楽の側へ傾くたびに、強力な自己調整メカニズムが働き水平へ引き戻そうとする。そして快楽の時と同じだけ苦痛の側へ偏る。どんな生き物でも持っている生理的な平衡を持とうとする性質「ホメオスタシス」が働く。この繰り返しが正常な状態だ。
ただし、似たような快楽に繰り返し晒されると耐性を得て、快楽側へのシーソーの傾きは弱く短くなり、事後反応の苦痛側への偏りは強くなっていく。シーソーの支点の位置が変化するのだ。シーソーを水平にするためにドーパミンの過剰放出が必要になる。長期大量放出によりドーパミンは欠乏しシーソーは苦痛側に偏り報酬回路の感受性は低下し無快感症に至らしめる。

救いは
十分に長く待てば脳はドラッグがもう来ないことに再適応し、元のホメオスタシスを取り戻すことができる。シーソーが水平にもどるのだ。

克服するために著者が薦めるのは
セルフ・バインディング(自分を縛る)という方法である。当たり前のことを言っているが実行するのは難しい。
効果的にセルフ・バインディングを行う秘訣は、意志の限界を認めること。
強力な魔法にかかっているときは自発性など失われる。だからこそ、自らに選択能力が残っているうちに行うのである。一度、使いたいという衝撃を感じてしまうと快楽を求めよう、苦痛を避けようとする反射的な力に逆らうことは不可能になる。欲望の発作の中では選択などできないのだ。

セルフ・バインディング戦略は3つ
 ①物理的戦略(空間)
自分自身とハマっているものとの間に物理的に障壁を作り、近づけなくする。他は、依存症薬物治療、摂取制限する臓器手術など。
 ②時系列的戦略(時間)
時間制限とゴールを設ける。摂取時間を制限し、時間の幅を狭めていくことで使用量を減らす。誕生日までとか、仕事が終わったらとか、昇進したらとか、節目や成果で報酬がやってくるようにする。
 ③ジャンル戦略(意味)
自分がハマっているものだけにとどまらず、関連するものやきっかけとなる行動を避けるなどジャンル全体で自分を縛る。

以下は、キリコから
セルフ・バインディングができない沼り人に私ができること

①物理的戦略
オキニトーク相互フォローを止めます。トークを返しません。NG客にします。
②時系列的戦略
月一回の摂取に制限できるよう、出勤日数を減らします。
③ジャンル戦略
写メ日記あげるの止めます。

ドーパミン沼に溺れている皆様
今年も健康に気をつけてお過ごしくださいね。
\(^^)/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?