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管理栄養士を目指したきっかけ

私が中学3年の時、父が他界した。
原因は大腸がん。

がんが見つかった時、私は小学6年生だった。
母や祖父母からは『必ず治るから何も心配しなくていい』と聞かされていた。

父はとてもよく働く人で、土日も出勤していたし
お酒も大好きで、付き合いも多かったと思う。
とにかく真面目だった。
朝は早く起きて、中国語の勉強なんかもしていた。

休日出勤しようとする父に向かって母が、
『父さんがそんなに必死に働かんでも、会社は回るけぇ大丈夫っちゃ』
と言っていたが、責任感が大きい父は期待以上の仕事をしていたと思う。

そんな父を尊敬していた。
父を見て
必死こいて人のため、世のために働くことが素晴らしいと思っていた。

そんな父は治ることもなく、呆気なく死んだ。
人ってこんなに呆気なく死ぬんやな、と最期の病室で思ったことをいまだに覚えている。

父ががんになってから、家の中には
がんに効く!という食材や料理。サプリ、健康器具
そんなものが溢れかえった。

すんごく、嫌だった。
こんなもの全く意味ないじゃん、って中学生の私は思っていた。

ならもっと早く、食事に気をつけていればよかったのに。
お腹下すまでお酒、飲まなきゃよかったのに。
ストレス溜まるまで働かなきゃよかったのに。

当時、反抗期だった私はそんなことを正直に、口に出していたと思う。
(藁にもすがりたい思いでいっぱいだったんだろうな、というのは今ならよく分かる)

そんな私は、比較的早い時期から死生観と向き合うことになる。
そんな私が管理栄養士を目指すようになったことは、自然なことなのか。

食で人を幸せにしたい!
という、想いもあるけれども

本当の本当は、
父のような人を、そしてその当時の私のような思いをする家族を
減らしたいというのが、きっかけです。


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