妊活ライターの裏話。加藤レディスクリニックのこと。①
前回まで長い長い自己紹介でしたが、今回からは、不妊治療についてお伝えしていきますね。
第1回目は、日本で最も患者数が多いと言われる東京の「加藤レディスクリニック」のこと。関東在住の方ならご存じの方も多いかもしれません。芸能人で通う人も多く「最後の砦」とも言われる有名クリニックです。
ホームページを見ると、ドクターは20名ほど、培養士さんは30名ほど在籍。この数から見ても、やはり日本一の規模だと言えると思います。
加藤レディスクリニックの治療の特徴といえば、「自然周期の体外受精」。
(ちなみに加藤レディスクリニックでは、ほぼほぼ体外受精しか行っていません。以前何も知らずに“最後の砦”ということで、タイミング療法から始めたいのに加藤レディスに行き、断られたという方がいましたので、ご注意を)
不妊治療は、薬を使って卵を作ったり、排卵させたり、体に無理なことを強いているイメージがありますよね。体を薬漬けにされそうなイメージ。
なのに、「自然」な周期で体外受精ができる。
どういうことなのかよく分からないけど、なんか体にもよさそう。
だって「自然」なんだもの!
「自然」に近い形で妊娠できるなら、ぜひそうしたい!
っていう気持ちになるの、とってもよく分かりますし、実際そう考える方も多いんじゃないかと思うんです。
でも、ちょっと待った!!!!
自然周期の体外受精、確かにいい面もありますが、必ずしもすべての人にいいとは言えません。人によっては自然周期じゃないほうが、時間的にも費用的にもいい場合もあるんです。
ではまず、自然周期の体外受精って何なのか?解説していきたいと思います。
体外受精は、文字のごとく、「体」の「外」で卵子と精子を「受精」させる治療方法です。
本来はすべて体のなかで行われることを、一部分だけ体の外で補助してあげることで、妊娠しやすくするわけです。
男性はマスターベーションによって、精子を自分で体の外に出すことができますが、女性の卵子はそうはいきません。体(卵巣)に針をさして、卵を外にとりださないといけないわけです。体に針を刺すわけですから、もちろん痛みがあります。
そしてどうせ卵をとりだすなら、1回でたくさんの卵をとりだせるといいですよね。たくさんとれれば、たくさんの受精卵ができるかもしれないから、妊娠の可能性も高まります。
そこで排卵誘発剤を使って、たくさん卵を作る。そして一度に多くの卵をとって、精子と受精させる。たくさんの受精卵ができれば凍結しておいて保存。1回子宮に戻してもだめなら、翌月は凍結しておいた卵を戻す。これでダメなら、また凍結しておいた卵を戻す。これが一般的に行われることの多い体外受精のやり方です。
一方、自然周期では排卵誘発剤を使いません。使ったとしてもごくごく少量。自然な周期、つまり生理が始まって1個の卵が成長し、排卵される。その1個だけをとるわけです。それを大切に育て受精させて、子宮に戻します。それで妊娠できなかったら、また卵をとりだすところから始めます。
(ちなみに加藤レディスクリニックでは極細の特別な針を使って卵をとりだすため、我慢できる痛みだそうです)
ここまで読むと「あれ?自然周期は効率悪そう」って思いませんか。
はい、実際そうです。効率は悪いです。
日本は世界的に見ても不妊治療大国なのですが、実は1回の採卵当たりの出生率は最下位なんです。別に日本の技術が遅れているわけじゃないんですよ。技術的にはトップレベル。
なのに、なんで?
これは、日本人が「自然周期」の体外受精を希望する人が多いことに理由があるんです。
たとえば排卵誘発剤を使う場合。1回の採卵で5個の卵がとれて5回目の移植で妊娠・出産したとしたら、1回の採卵あたりの妊娠率は100%。採卵1回で妊娠・出産できたわけですから100%ですよね。
ところが自然周期の場合。5個の卵をとるには5回採卵しないといけません。つまり採卵5回で妊娠・出産できたことになるので、出生率は20%。
ね、効率悪いでしょ?
「いや、自然周期でとった卵は自然のリズムでつくられた卵だから、排卵誘発剤を使った卵とは質が違う!だから妊娠しやすいはずだ!」って思うかもしれません。
でも、実はこれも否定されていて、自然周期でも排卵誘発剤を使っても、その卵の質に差はないと学会ですでに発表されているんです。実際、世界的に見ても自然周期の体外受精をこんなに行っているのは日本だけだそうです。
じゃあなぜ、女性たちは加藤レディスクリニックへ行くのか?
なぜ加藤レディスクリニックは妊娠率が高いと言われるのか?
詳しくは次回!
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