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言葉の持つ力

高校の時に先輩から言われた、大人になった今も忘れられない言葉がある。

私は喋り下手で思ったことをすぐに口に出すのが苦手だ。
考えがあってもパッと言葉に出来ないことが多い。
「あなたはどう思う?」と聞かれて、すらすらと答えたいけれど答えられない。
あの日も先輩に意見を求められてモゴモゴと口ごもってしまった。
そんな私に先輩は一言「あなた本当に日本人なの?」

多分先輩は何気なく思ったことを口に出しただけなんだろう。
笑っていたし冗談のつもりだったのかもしれない。
けれど私はその言葉に酷くショックを受けて、思わず涙ぐんでしまった。
その後どんな風に過ごしたかはよく覚えていないけど、10年弱たった今もその言葉をよく思い出して辛くなってしまう。

上手く話せない自分にも非があるし、先輩が悪くて私が被害者というつもりは決してないが言葉の持つ力は恐ろしいとよく思う。
人を縛り付け、気持ちを大きく変化させてしまう。
呪いのようなものかもしれない。

またある時部活の顧問の先生から「貴方は努力の出来る人だ、器用な方ではないけど努力で自分の物にしていく人だ」
と言う言葉を貰った。
部員が多かったのに自分を見てくれていて思ってもみなかった評価をしてくれた先生の言葉に、1年間苦労したことがブワッと昇華されていった気がした。

言葉は使いようによって人を救うこともあれば貶めてしまうこともある。
だからこそ意識的に人を幸せにする方向に言葉の持つ力を使っていこうと思う。

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