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いつもの美容院

今日、いつもの美容院に朝イチで行ってきた。

お隣に女性が1人。

女性はスマホの画像を美容師さんに見せ、「こんなイメージで明るくしたいです」と言っていた。

美容師さんは、ブリーチしないとこの色にはならないよ。
けど私は○○さんにブリーチはして欲しくない。とキッパリ。

ブリーチというのは髪の毛の色素を抜くこと。
ブリーチを行いカラーリングをすることでカラーデザインの幅が広がり、理想の髪色に仕上げることができる。
しかし通常のヘアカラーよりも強い薬剤を使うため、髪に負担がかかるというデメリットもある。

お客さんの希望としてはスマホの画像のような明るい髪色にして欲しいというのが1番にある。また、ブリーチをした方がお店側としても利益に繋がるだろう。

それでも美容師さんがブリーチをして欲しくないというのは理想の髪色にすること以上に、お客さんの" 髪 "を心の底から大切に思っているからだと思う。

中にはブリーチをしてお客さんの理想の髪色に近づけたいと思う美容師さんもいるだろうし、お店の利益のため、それもとても素敵な心構えだと思う。

しかし、ブリーチをして理想の髪色で居られるのは一時的なこと。これから10年、20年と長期的にみると髪の健康はどんどん失われていく。

結局、美容師さんはその女性にブリーチをすることはなくヘアカラーを行っていたが、女性と不穏な空気になることはなかった。むしろ世間話を楽しんでいた。
最後には「ありがとうございました。」と満足した表情で女性は帰って行った。

理想の髪色になることは叶わなかったかもしれない、しかし自分よりも自分の" 髪 "のことを想ってくれたのは美容師さんであり、その気持ちが伝わり満足した表情に繋がったのかなと思った。

お客さんの希望を聞くことはとても大切、お店の利益もとても大切、でも1番大切なのはお客さんのことを想うこと。
それが " いつもの美容院 "の方針である。

色んな美容院へ行ってきたが、結局ここに戻ってきてしまう。専門的な技術はもちろん、何よりここで学ぶことが多いのだ。
ただ施術しにきたつもりがお客さんへの接し方や態度、他の従業員との連携などとても勉強になる。
いつも大切なことを気付かせてくれる。

それなのに不思議と価格は高くなく、むしろ安い。
もう少し高くても私は行くだろうし、そのくらいの価値がある。

施術以上にとても価値のある、この " いつもの美容院 " の環境が心地良く、とても好きだ。

また来月ごろ、施術という名の学びに行ってこようと思う。

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