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希望的に希望の詩。


任されるべくして任された残業を終えての帰り道。


休日のバスの本数は激減するのは知っている。
そのバスが目の前を行くのを見て次のバスは座れるという希望。


MAXの待ち時間。
スマートフォンを好きなだけ弄れるという希望。

スマートフォンを弄りながら、夕飯にマクドナルドと思いきや、朝に食べていたのを思い出し、食を偏らなく出来た希望。

「朝も食ってたな」
とうっかり漏れた独り言を、バスの待ち時間MAXにも関わらず並びに来た人に聞かれて笑って貰えた希望。


スマートフォンを弄ってみるニュースは暗くどんよりしているのを見て、自分よりしんどい人がたくさんいるという希望。


世の中を憂いつつも、金がない自分への憂いに気付けた希望。


戯れにダウンロードしたアプリのお姉ちゃんに恋をする希望。


やっと来たバスに座れる希望。



押し合いの車内で座っている所を侵食されても、無事である希望。



バスを降りての坂道は家への近道という希望。



独り寒い家を温める希望。



ガマンして帰ってきて、食料のストックが切れているのは断食しろとの思し召しだという神託の希望。



空腹に希望。




悲しみに希望。





鳴らないスマートフォンに希望。




それでも笑えてる自分に希望。




壊れた空調に希望。








もう死んでしまおうかと思える自分に希望。







ベランダに足をかけて乗り出し、3階から死を間近に感じる希望。







高く……舞い上がるような希望。









全身に強烈な痛み……の絶望。







[完]




サポートなんてしていただいた日には 小躍り𝑫𝒂𝒏𝒄𝒊𝒏𝒈です。