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[詩]あふれてしまう

ひとつ、またひとつと器に注いできた。

酒は八分目でいい。
サイダーはビー玉も沈めたりして。
水はぷっくりと縁で均衡をとっていたけど、
つい悪戯心がわいてきて、
ふっと息を吐きかけたらツツツと流れでた。
その身をすり減らしながら雫は進み、
やがて力尽きたように止まった。

空の器があるじゃないかって、
やっぱりわからないんだね。
きみがそんなだって関係ないけど、もっとよく考えてよ。

赤いものを注ぐことだけはしないでほしい。
そう言われたことがあったような気がする。
そんなことをしそうに見えたかい。
まったくしらけちまった、つまらない。

太陽くん、全部飛ばしちゃってくれ。
窓という窓を開け放って歩きだした。
ああ、涙があふれでる。

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