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般若心経は一回休みにしときます。  今回は「ホーメイって何じゃ?」

般若心経1、2ときて、さて今回、いよいよその神髄である「空」を解説する運びでしたが、徳島新聞デジタル版で「般若心経ホーメイ版」を公開したところ「いったい、そらなんぞいな」という質問がきましたのでお答えしようと思います。題して「ホーメイって何じゃ?」



今から23年前、2000年8月にトゥバ共和国(ロシアの共和国)から5人組の民族音楽グループ「トゥバ・クィズィ」=トゥバの娘という意味らしいですが、男性も一人まざっていました=が日本にやってきました。ロックバンド「ヒカシュー」のリーダーである巻上公一さんの紹介で、徳島県小松島市のうちのお寺でコンサートを開催していただいたんです。

一行は3日ほど滞在してくれました。トゥバ共和国って聞くのも初めてだし、彼女たちが披露する「ホーメイ」という歌唱法も初めてだし、とにかく仰天しましたね。すっかりはまってしまい、それじゃあ、と独学でホーメイを始めることにしたんです。

「倍音」って聞いたことがないでしょうか。音は一つではありません。音程も大きさも周波数も違う、いろいろな音がまざってできているのです。その音を特徴付ける音を基音といいます。倍音唱法とは、いつもは基音の裏に隠れている音を同時に発声する歌い方といったらいいでしょうか。

世界各地には、倍音唱法が存在しますが、その中でも際立って独特の音色を響かせるのが「喉歌」と呼ばれる歌唱法です。中央アジアにアルタイ山脈ってありますね。その周辺の国々に伝承されている独特の歌唱文化、その一つがトゥバ共和国の「ホーメイ」なのであります。ちなみにホーメイで般若心経を唱えると以下ののようになります。

喉歌の基本は、ノイズを効かせただみ声(喉声)になります。ドローン音(基音)とは別に、上音成分群(フォルトマン・倍音)を用いてメロディーを奏でます。トゥバの歌唱法は、ホーメイが基本の発声となり、高音域を強調する「スィグット」、低音域を強調する「カルグラ」などがあります。だから、般若心経ホーメイ版では「ホーメイ」と「スィグット」であります。動画では般若心経を唱えましたが、通常、ホーメイを読経に使用することはありません。

ナムアッタル

ボクは令和元年から「仏教をうたう」という活動を始めております。仏教や仏様をテーマにして歌詞を編み、メロディーにのせて歌うのです。コロナ禍で活動も自粛していましたが、今年からは、少しずつでも活動を再開していこうと思っております。ところで、今回添付している動画は、ボクの新曲の「ナムアッタル」という曲です。もともとトゥバに「エキアッタル」という楽曲があり、そのメロディーラインにのせて、仏教の「六道輪廻」にちなんだ自作の歌詞を歌っております。ちなみに伴奏楽器に使用しているのは、トゥバの伝統楽器「ドシュプルール」という三弦楽器です。

「ナムアッタル」をお聞き頂いて、少しでもホーメイの魅力を感じて頂ければ、愚僧チョークー、幸いであります。


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