【説明マシーンになってないか?】
いかにきちんと商品なりサービスの説明ができれば売れると勘違いしている人はとても多いです。確かに知識量が豊富できちんと説明をしてくれる人には安心感を覚えるかもしれませんが、おそらく売れることはありません。
マサチューセッツ工科大学の研究によると、雑談無しで商談にのぞんだ場合の成約率は5.9%となっている。ただ商品の説明などをセールスと勘違いをしている営業マンの場合、成約率がたった5.9%しかないのである。
一般的にはきちんとしている営業マンであるが、なぜ売れないのだろうか?
逆の立場で自分が営業されて買う場合を考えてみるとわかりやすい。
自社の商品やサービス内容について細かく丁寧に性能やメリットをつらつらと並べられても心は動かない。当初から購入する前提の場合は別として、私も買わないだろうし、実際に自分がそういったセールスをしたときには売れた記憶はほとんどない。振り返ると自信がない時にはそのようにしていたと思う。
営業の鏡のようなセールスマンが売れない理由は、営業は「人対人」であることを理解していないからです。人間は感情の生き物であり、理屈だけではなかなか動きません。「これは非常にお得な商品だ!」と理屈で説明して理解されたとしても、その人の感情が動かなければ購買につながる見込みは低いです。実はこのことに気がつかないで「売れない」と落ち込んでいる人はたくさんいます。
今日からできる対策としては、「ラポール形成」を意識することです。ラポール形成とは、相手と自分との間に橋がかかっている状態(心が通じ合い、互いに信頼し、相手を受け入れている状態)を築くことをいいます。営業相手であるお客さんにいかにして自分を信頼してもらえる状況が作れるか?が一番意識するべきことです。いちばん簡単なのは雑談をおこなうことです。前述したマサチューセッツ工科大学の研究では、雑談をしてからの商談の場合の成約率は、39.3%と6.7倍以上もの差が開くことが実験でわかっています。
今日の天気やニュースなどを話したがるひとも多いですが、あまり効果はないように思います。練習は必要ですが、相手に関する質問をしたり、興味を持っている分野の雑談をすると自然と距離が縮まるでしょう。私が意識しているのは、ラポール度合いを5段階に設定して、今2の段階だから3にするために〇〇をしてみようかな。などと考えています。そのようにしていくことで興味を持つこともできるし、コミュニケーションを取ることも自然と増えていきます。
いかがでしょうか。いきなりラポール形成を行動に移していくのは大変だと思います。まずは、ラポール形成が大事ということを頭の片隅に入れておくことでも変わると思います。一方で、自分が説明マシーンになっているなと気づいたときには要注意です。そんなときには一呼吸置いて相手の顔を見てみましょう。そして雑談をしてみましょう。
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