慣れきった怠惰

「ねえ知っているかしら、ほかの居住区りっぱに成ったわよ」
「へえそうなんだ」
「どこか私たちの住まいより便利になっていそうだわ」
「僕らの居住区だってかなり快適だけどな」

「そのうち私たちの居住区より他の居住区のほうが暮らしやすくなるわよ」
「そんなのどうでもいいや、他者は他者で僕らは僕らじゃないか」
「もっと楽しい生活をしたくないのかしら」
「欲張ってどうする、いまでも十分すごし易いだろう」

「あなたも一度この居住区から外へでてほかを見てくるといいわ」
「なんでそんな事しなくちゃならねえんだよ、今のままで不自由ないぞ」
「もっと文化的生活ができるのよ、ほかの居住区に追い越されるわよ」
「なにも不満のない暮らしなんだ、僕らは僕らでいいじゃないか」

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