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共感だけではどうにもならない

友達がインスタグラムに取り上げていた漫画を1巻だけ試しに読んでみたのです。

その漫画というのがこちら

https://realworld.jp/entertainment/fazasitta-muryou/

内容については、こちら↑でかなり詳しく解説しているので、気になる方は読んでみてほしいと思います。

正直な私の感想

この漫画、3巻までオンライン上で読めるのですが、無料で読める1巻だけで私は「もういいかな」と思いました。内容からすると、確かにこれは共感するお母さんはかなり多いと思うのです。

「一人で頑張ってる」「旦那は帰ってきてもずっとスマホ」「都合のいい時だけ子供を見てる」「義母との間に入ってくれない」
そう思ってるお母さん、多いと思うんですよ。

実際にこの作者さんも二人のお子さんをお持ちのお母さんなのだそうです。なので、描写がお母さん寄りになるのは、ある程度仕方のないことだと思います。

ただ、私とこの漫画を紹介してくれた友人は、同じ違和感を覚えました。

「人に仲介してもらわないとパートナーと話ができないんだろうか?」

お母さん向けの発信が多いのはなぜか?

子育ての発信は、お母さんに向けて発信しているものが多いです。それは「職業:母親」を世に知ってほしいお母さんが多いからでしょう。子育てや家事は「女性がやって当たり前」だと思っている人が多いからです。

ただ、この漫画にせよ、たくさんある子育て発信にせよ、お母さんには届いても、肝心のお父さんや子育てを実際にしていない人に届くことは少ないと思うのです。

サトウさんのように、父親として、夫として発信を頑張っていらっしゃる方もかなり増えてきましたが、どうして今なお、お母さんはこういった「共感する」発信を求めるのでしょうか?

会話量の不足

こんなアンケート結果があります。「夫婦の時間15年の推移」です。この会話ですが、自分は会話をしていると思っても、相手も会話をしていると感じているとは限りません。

そして決定的なのが、会話のなかで女性は「共感」を求め、男性は「解答を得る」ことを求めます。求めているものが全く違うのです。そこがかみ合ってないこと、気づいてますか?

気づいていない、気づいていても言えない、そんな状況で会話をしていても、平行線なために満足することはできません。ましてや、会話がない状況では伝わることは絶対にありません。

「伝わらないから伝えない」「どうせ聞いてない」「私は働いてないし、稼いでもらってるから」「お仕事で疲れてると思うから」「女だから私がやって当たり前」「お父さんもそうだったし」

いろんな理由が思い浮かぶと思います。じゃぁそれでお母さんが我慢すればいいお話なんでしょうか?そうではないからこそ、「お母さんに共感する」育児記事や漫画にお母さんの人気が集中するのでは?と思います。

日ごろから「わかってもらえない」と感じ続けていると、どうしても「わかってくれる」気がするものに、癒されるものです。ですが、癒されても根本の問題が解決するわけではありません。

相性というものはない

相性がいい、悪い、という言葉ありますが、それはこの会話の質に左右されると科学的には言われています。生まれ持った素質の類似性や相違点によって理解がしやすい、しにくいはあると思います。

それでも、お互いのことを分かり合うことは、会話をすることですり合わせていくことが必要となります。その重要さを知っていても、子育ての大変さと想像以上の産後の消耗でできないというのが現状です。

その現状を伝えることすらできない、産後の現状をお母さんはまず自分で理解しておく必要がある、と産後うつの体験を通して私は実感しています。どれだけ優れた人間でも心と体はつながっているのです。

どれだけ疲れているのか、どれだけ大変なのか、どれだけ辛いのか。伝えたいことはたくさんあるのです。それをどう伝えるのかを考えることも大切ですが、まずはご自身の体を癒さないと考えることすらできません。

まずは己を知る

自分がどれだけ疲れているのかを知らずに、お母さんは「どうにか動けてしまう」から、自分を犠牲にしてしまっている現実をしっかりと見据える必要があると思っています。

・睡眠はとれているのか
・食事はとれているのか
・水分補給はできているのか
・一人の時間はあるのか
・大人と会話をしているのか
・自分にダメ出しをしてないか
・他人に八つ当たりをしていないか
・うっかりミスが増えていないか

挙げていけばキリがありませんが、自分の体と心の状態を知り、足らないところを満たしてあげるというセルフケアが必要です。そのために人に頼ることが必要になるケースもあるでしょう。

会話をするなら、境界線を持つ

よく「私はこう思うからこうしてほしい」でお願いするとよい、と言います。問題はそのあとです。もしも相手が「いやだ」と言ったら、どうしたらいいのか、という点です。

これが毎日寝不足で、ご飯もゆっくり食べられず、いつも何かに追い立てられている子育てをしている状況では、拒否された現実に怒り狂ってしまうことでしょう。

ここで必要なのが、「相手は自分とは違う人間だ」という考えです。なので、お願いしたことを拒否する権利もあるし、見返りを求める権利もある、ということです。

だからこそ、お互い交換条件を付けたり、どこまでだったらできるのかを探ってみたり、交渉するということが必要になってきます。そのためには自分を整えておくことは必要最低条件です。

「夫婦の会話が成り立たない」とあきらめてしまうことは簡単かもしれません。そして共感してもらう、共感を味わうことで慰めてもらうことも必要なことです。

家族は、夫婦単位で増えていくのです。いつか子供は巣立ち、自分の家族を作っていきます。そんな関係だからこそ、パートナーとの関係は、会話を中心に大切にしていきたいと思っています。

個人的にこのファザーシッターに共感するお母さんは多いと思います。今後は、この陽向くんには「夫婦の会話」についても踏み込んでいってほしいな、と思っています。






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