7065ユーピーアール

こんにちは、今回はユーピーアールについて書いてみようと思います。
1/13 に  第2四半期連結業績予想及び通期連結業績予想の修正
発表しました。

その内容を受けて、株価は大きく上昇しました。
1200円からギャップアップして、2000円近くまで上昇しています。

株価


同じく、日本パレットプールも1/25に業績予想の修正に関するお知らせ
を発表しました。
同じように株価は急騰し、1600円から、2200円近くまで上昇しています。

業績修正

SNS等でも話題になっていたことと、開示のコメントをみると非常に興味深い内容だったので、みてみたいと思います。

ユーピーアールは、1Q決算の発表していますが、合わせて、上期・通期の修正を発表しました。
上期の売上は67億→71.5億+5.7%修正 営業利益3.2億→4.7億+48.4%の修正になります。利益率は4.7%→6.6%にUP
EPSは35.2→43.1

通期の売上は140億→144億+2.9%修正 営業利益7.2億→8.5億+16.8%の修正
利益率は5.2%→5.9%にUP
EPSは80.9→88.7

PERの推移をみると、発表前はPERは13倍程度でしたが、修正を受けて、20倍ぐらいまで上昇していますが、過去の推移でみると、まだまだ低いと感じてしまいます。
ただ、二週間で急激にPERの水準も上げてきています。
EPSの上昇より高い上げ方をしてますので、期待値が高い銘柄に見えます。


業績確認


過去の業績推移を見てみます。
みてみると、右肩上がりに売上は伸ばしていますが成長率はそれほど高くはなく平均して、+5%程度です。
営業利益でみると、2020年に高い利益率を叩き出していますが、その後は収益性が落ちているように見えます。


修正履歴を見てみますと、
1Qで修正したのは、近年では初めてです。
ただ、利益のブレは少し大きいように感じます。
直近でも2年連続で、下方修正出していますが、かなり大きいです。
21年は8.8億→4.9億に修正、22年は10.1億→5.5億に修正しています。
19年は5.2億→7.1億に修正しています。

パレットの会社になりますので、外部環境の影響を受けやすいのですかね?
ただ、今までは、3Qに修正することが多いように思えますので、今回1Qで修正しているのは、何かあるのかもしれません。


1Q決算も開示しているのでみてみます。
9-11月の売上37.4億+13.5  営業利益2.5億+48.2  利益率6.7%
過去3年の推移でみると、売上は過去最高、利益はコロナ以降では高い数値になります。
コロナ前の数値は期待できるかもしれません。

修正の理由

2024 年問題(注1)への対応期限が迫っているため、大手企業を中心に トラックドライバーの長時間労働の改善につながるパレット輸送や共同配送の動きが活性化。
レンタルパレットによるパレットプールシステムは、パレットの回収及び流失防止の仕組みがある
輸送用パレットについては、家庭紙の共同利用・共同回収、玄米、冷菓の取り扱いが拡大
保管用レンタルパレットについては、港湾地区の冷凍・冷蔵倉庫を中心として、取引先の在庫 量が増加し、需要が堅調
レンタルパレットの稼働率が高い状態を維 持

コメントをみると、稼働率が上昇していることで、収益が上がっているようです。

決 算 補 足 説 明 資 料

決算資料も開示しているので、こちらもみてみます。

まずは会社概要から、
主な業務内容は、パレット・物流機器のレンタル・販売です。
この会社、RFIDタグ(注1)を搭載したスマートパレットのレンタルや、アシストスーツのレンタル及び販売なども行っています。
国内14の営業所と190のデポで運営しており、レンタル用物流機器の保有枚数は約464万枚あります。

市場のレンタルパレットの比率は5%程度だと言われています。
レンタルパレットにメリットは高いようにみていると思うのですが、
5%と低い理由が気になります。
昔、働いていた会社で、トヨタの改善チームが入って、改善活動をしていたのですが、その時に、改善のプロジェクトチームとも関わることがあったのですが、その時にも物流の改善に取り組んでいました。
店舗の改善においても、物流の改善は効果が高く、取り組みやすい事案だと認識しています。
ただ、その中で、改善を進める上でも色々な障害がありましたので、パレットにおいても、何か構造的な問題があるのではないかと思ってはいました。

自社の場合には、トラックの荷受け作業において、かなり工数がかかっており、商品が搬入口に滞留してしまうことがあり、必要な商品があるのに届かないという事例が発生していました。
その要因として、トラックのベタ積みにより工数が増える。ベタp積みということは、台車等に積み替える作業が発生します。
それを改善するために、台車付きで納品に変更していました。
昔の話ですが、この時もかなり大変だったと聞いています。
その時に、ダンボール納品を通い箱に変更するのにも、なかなか進まなかったと聞いたことがあります。

24年問題があったとしても、大企業は、進めることができるかもしれませんが、実際どこまで進むのか?予測するのは難しいと感じます。
ただ、今まで進まなかったことが、コロナ禍において色々な業界で進んでいると認識しているので、この問題が少しでも進むといいとは思います。

パレットの保有枚数をみると、10年前と比較すると増えてきてはいます。

パレットについて

https://www.jpr.co.jp/release/20221111_01_jpr_Pamphlet_pday.pdf

そもそもパレットとは、輸送・保管を効率を高めることができる道具として、普及してきました。
日本中に流通しているパレットの総数は5 億枚とも言われているそうです。

パレットを導入するだけで、生産性はこれだけ改善するそうです。

トラックドライバーの高速時間は12時間の場合、運転には約8時間、荷役・荷待ちに2時間かかる計算になります。

またレンタルパレットを増やすと、Co2の削減効果も期待できます。

レンタルパレットを利用して、一貫パレチゼーションを導入を進めています。
そのメリットとしては、

空パレットの返送コスト削減
自社パレットの場合、荷物が着地に到着したら、当然ながらパレットを元の場所(発地)に戻す「返送コスト」が掛かりますが、
レンタルパレットなら、着地に近いNPPデポに返却するだけでOK。
返送コストが不要で、物流費の大幅削減が可能
また自社パレットの場合、必要枚数の3倍以上のパレットを保有する必要があります。また12月など物量が多い時はいいのですが、物量が少ない時などは必要以上パレットが「溜まって」しまうこともあり、保管コストもかかります。

パレットは「消耗品」になります。修理・補充していくコストも大きな問題になっています
廃棄する場合は「産業廃棄物」として、別途費用が発生します。
それに加え、パレットの総数を把握できていないため、過剰にパレットを購入してしまうことも多々あるのではないかと思います。

一貫パレチゼーションなら、使い終わったパレットを近くのデポに返すだけ。パレットを保有しているだけでかさんでいた管理費が、レンタルだと大幅に削減が可能になります。

スマートパレットの事例

ユーピーアールなどでもスマートパレットの導入が進めていますが、
導入事例をみると、かなり削減効果が期待できます。

荷役時間・待機時間が長くなってしまう原因は、パレットだけの問題ではないようです。

この会社の事例をみるとパレットには様々な問題を抱えているのだと思いました。

工場-営業倉庫間のパレット受払を紙伝票で管理しており手間が発生
パレット紛失対策のため、全ての区間でパレット輸送が出来ず、
 手荷役やトラック待機時間が発生
パレット在庫に差異が生じない様、頻繁にパレットの棚卸をする必要があった
木製パレット使用時、出釘による積載物の破袋が発生


この事例の問題点では、
パレットを回収できず、新規パレットの購入費用がかさむ
某市場内に浮遊パレットが多くあり、処理を進めたい
予定通りに商品が出荷されたかを確認したい

スマートパレットを導入することで、
パレットを回収することができ、新規パレット購入費用が抑えられた
適正なパレット在庫数をリアルタイムで把握し、作業効率がUP
パレットに紐づいている商品の動きを追う事ができるので、正しく出荷されているか監視できる。

これらの事例をみると、物流会社によっても様々な問題を抱えていますので、物流業界の生産性のUPにも期待できるかもしれません。


レンタルパレットが今まで、進まなかった理由には、トラックに載せて移動を重ねることが多いため紛失が多いことも挙げられています。
日本パレットレンタルでは、年間で数十万枚単位のパレットが紛失しているそうです。
レンタル時の購入価格(時価)で契約を締結するため、原油価格の高騰などでパレットの購入価格が上がっていると、レンタルで稼いだ利益とオフチャージを合わせても、新しく購入するパレットの方が高くつくことがあるようです。

そのためパレットにICタグを貼り、パレットの位置情報を探査する、RFIDを進めているようです。

また短期間の使用ならレンタルの方が得だと言われていますが、レンタルパレットが保管されている倉庫へ行くためのトラックの手配、運送費がかかるため、パレットを使用する場所と倉庫が離れている場合、割高になることがあるのも一つの要因かもしれません。

またレンタルパレットは紛失してしまうことも多いので、紛失が多いと弁償費なども増えますので、どちらにするのか?物流会社は悩ましいのかもしれません。
パレットを回収する拠点がもっと増えてこないとレンタルの普及は進まないと思うし、通常のパレットでは問題解決にならないようで、スマートパレットを増やしていくことが、必要になるのではないかと思われます。


少し長くなってしまったので、ユーピーアールの決算の内容についてはまだ後日書いてみようと思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。






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