「神菜、頭をよくしてあげよう」

「神菜、頭をよくしてあげよう」

大槻ケンヂのちょっと昔のエッセイです。
筋肉少女帯のボーカルですね、
わたくし大大大大大ファンなのでございます。
オーケンの文章や歌詞を、学生の頃よく書き写していました(汗)書写。

・自分にしかわからないことを、誰にでもわかるように書く。
・好きなものを中心に書き、毒はユーモアと洒落っ気で料理する。
・音読した時の語感を大切にする。
・幅広くおおいに影響を受けまくり、オリジナリティは影響の受け方で出す。
・なんでもない出来事を重ねて奇妙さを出す。

こういったオーケンの文章術は今でも何か書くときの指針になっていたりいなかったり。
ほぼ全てのエッセイを読んでいるのですが、
中でも本書に収録された
“徹夜明けにエッセイを書くとこうなる”
は教科書に載せたいくらい好きです。

オーケンの知人女性はDV男と同棲していたが、ある時オトコが包丁を持ち出してきたのを見て、
オンナは裸足で玄関から逃げ出した。
殺される!と無我夢中で飛び込んだマンションの一室は、なんと森本レオの家だった。
そこでなんとかオトコをやり過ごして事なきを得たのだが、、、、、

と女性の話は続くのですが、もうオーケン的には森本レオが気になって気になって仕方がない。しかし女性からすれば森本レオなんてどうでもよく、本題はシド&ナンシーばりの自分達の愛の行方。
しかし森本レオが気になってもうそれどころじゃないオーケン。

無限大のツッコミポイントをスルーされ続けるオーケンは、ここでハタ!と気づくのです。
「これは宗教や政治論争に似ている。」

聞き手がどんなにうまいツッコミや明らかな矛盾を指摘しようと、それは“真理を見つけた”相手にとっては森本レオに過ぎないのだ。どんなにこちらが気になってもそれはあくまで相手にとっての森本レオ。
森本レオを広げようとしても何も出てこない。
森本レオ:話し手にとってはマジでどうでもいい枝葉だが、聞き手にとってはそこが一番死ぬほど気になってしょうがないツッコミポイントのこと。

イデオロギーとイデオロギーの論争に巻き込まれそうになった時、
“これは相手にとっては森本レオなのではないか??”
僕は多くの場面でそう自問自答することで相手ともいい関係が築けてきました。
ありがとう、森本レオ。
Thank you for Leo Morinoto.

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