「美しく、狂おしくー 岩下志麻の女優道」

「美しく、狂おしくー 岩下志麻の女優道」

”これまでと違ったものに導かれていく時、
それに挑むのが好き。“

他の人間になれるという喜びに取り憑かれた一女優のディスコグラフィーとロングインタビュー。綺羅星のようなスターと監督たちのリアルガラスの仮面のようなエピソード満載です。

目隠しをして生活したり、卑弥呼の霊をおろしたり、丹波哲郎の催眠術を装ったナンパを天然でかわしたり(笑)夫である篠田監督との馴れ初めや五社監督との関係もさることながら、岩下志麻の「化粧と衣装」によって役に憑依していく気迫が文章から伝わってきます。

一流の哲学は、実にさりげなく狂っているものなのだと実感できる一冊です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?