「子孫が語る曽我物語」

「子孫が語る曽我物語」
伊東祐朔

曽我家嫡男としてこいつは外せんだろうと思って購入するも、表紙にいきなり“曽我家と血縁関係のない”という不穏な文字(笑)しかし読むほどに自分のルーツが明かになりました。

そもそも曽我物語、といいますのは、
吾妻鏡を原作とした鎌倉時代はじめの実際の仇討ち物語でございまして、
歌舞伎界全体の十八番のひとつ。

一族の幾代にもわたる因縁、
極限状態の選択、
兄弟の理屈を超えた絆、
復讐の闇を目に宿していく兄弟を憂う師匠、
愛と哀しみ、そして人間の業。

今をときめく鬼滅の刃をも彷彿とさせます。
仇討ち直前に母親に決行の許しを求める(そもそも父の仇討ちを命じたのは母親なのですが、老いて考えが変わり、どうにか兄弟に幸せに生き延びてほしいと願うようになる)場面はスタインベックのエデンの東のクライマックスにも通じる緊迫感があります。
復讐の果てに兄弟がみた景色の、、、
リアルに鬼滅のルーツかもしれん。

今度歌舞伎を見に行ってみたいと思いました。

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