「ジャータカ物語」
「ジャータカ物語」
古代インドで仏教が大衆に伝わるうえで大きな役割を果たしたのが、各地に遺る仏塔の彫刻物語です。そこに刻まれたいくつもの教訓譚(ほとんどがブッダの前生のお話)を、ジャータカと言います。
本書はそのジャータカを現地の写真と共に分かりやすい訳で、美味しいとこどりできる一冊です。
イソップ物語や日本の古典の源流となったものもいくつも見られます。サルカニ合戦や、月の兎などの物語から、(本当は怖い)女人島での酒池肉林、嫉妬に狂った象の女王、龍王に夜叉、転生しても転生しても(位は上がり続けるのに)満足できない男などなど..
修行者を装った詐欺師と不貞に苦しむ王が同じくらいの頻度でバンバン登場するあたり、修行の道はなかなか険しかったようです(笑)
ガリ勉の元にもなった我利を戒め、
利他の道を諭す工夫が満載です。