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2023年 1月

離婚を考えた事は何度かある。
すべてこの病気が原因だ。
ただ、本気で実家に帰ろう。
と思ったのはこの時が初めてだった。
せっかく結婚しても家の事を何も手伝えない。
その事がショックだった。
ある意味自業自得なのだ。
分かってはいたが、コントロールは難しく、大丈夫だと思っていてもダメな時もある。
おまけにこの痛みは人の理性も壊す。

大晦日の日。
なんとか動けるようになってきていたので、この日に荷物をまとめて帰るつもりだった。
夫には朝帰る事を伝えた。
夫はとめてくれたが、この時は本気でもうダメだと思ったそうだ。

が、結局起き上がる気力もなく、義母にも止められた事もあり、
そのまま1日寝て過ごした。

その後、少し元気になってから夫とは色々と話をした。
彼は私みたいに自分の思っている事をばんばん言うタイプではない。
どちらかと言うと自分の感情は引っ込めて生きてきたタイプだ。
しかし、遂に、というかようやく自分の気持ちを言うようになった。
そこで、初めて夫の本当の気持ちや、彼が抱えているもの、知らず知らずのうちに背負っていたものが少し分かった。

仕事と病気

「仕事はできるのに、家の事はできないの?」
と聞かれた。
あの時の状況を考えるとできるわけないだろう!
と私ではなくても思うかもしれない・・・。
大丈夫だと思ったんだよ。
でもダメだった。
たまたまそうなっただけじゃん。
そうなのだが、結局仕事と家庭、どちらを取りますか?
という選択肢に行き着く。
両方できるのならやれば良い。
でも、私の今の状態でそれができるのか?
そこを考えて取捨選択をしていかなければならない。
正直考えるまでもなかった。
離婚して1人になった所で体調が悪ければ仕事はできないのだ。

価値観の不一致は重要か?

この時初めて、彼のために頑張ろうと思えるようになった。
今更だけれども、夫婦といえども本気で他人のために、と思う事は相当な覚悟がいるし、難しい事だと思った。
しかし、こうした他人の気持ち一つで今までの自分の考えや価値観を見直そうと思えるのは、夫婦だからだと思う。
離婚の原因で価値観の不一致なんてよく言われるけど、
まあ分からなくもないと思う。
でも違っていて当たり前だとも思う。
私の実家は個人プレーな家族だ。
それに対して、夫の家族はチームプレーだ。
それぞれ良い所も悪い所もある。

今の家族の事を考えると、私は我が儘だったな、と思う。
働く事は悪い事ではない。
誰も責める事ができない。
私はそれを盾に自分の満足する生活を送ってきていたような気がする。

価値観は違っていてもうまく行く

実家であれば、
「大変なのは自分だから。
その覚悟があるんだったら好きなようにしたら」
と言われると思う。
しかし今の家だと
「仕事なんて何も助けてくれないんだから。
家族が心配するような事はやめてほしい」
と言われる。

この価値観の違いって結構大きい。
でも、病気になって、本当にひとりで抱えきれない状態になって、このチームプレーがとても心地良いと思えた。
ああ、こういう家族も良いなあ、と。

以前は病気ともひとりで戦っている、という感覚だったが、今は家族みんなで戦っているという感覚になった。
元旦の夜。
家族でおせちをつつきながらそんな事を思った。
家族と一緒に同じものを食べられる、と言う事は幸せな事だ。

価値観はいつからでも変えられる。

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