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私とアルバイト

お店に入る前はお店の匂いを忘れていて、入ると匂いを思い出す。足の裏がラーメンでできているような人たちと私はラーメンを作るアルバイトをしている。

容器を洗浄機に入れると1分ほどで洗浄してくるが、容器があまりにも熱いのでしばらく冷ます必要がある。実際に冷ます余裕があるかどうかは置いておいて、そういう決まりがある。容器を重ねる。

レンジで前日に食べきれなかった肉をチンすると美味しそうな状態で肉ができあがる。容器のそこには肉から飛び出た油が目に見えるほど溜まっている。容器は触ると直ぐに手を離してしまう温度だった。私はアルバイトを思い出す。私は手のひらが火傷をしそうになるとアルバイトを思い出す。

洗浄機が洗浄をし終わると、ぴぴぴぴぴぴと音がする。その合図がすると私は洗浄機を開ける。耐えきれなくなった蒸気が洗浄機を開けると同時に私の顔を撫でる。私の左側にはまだ洗浄されてない容器があり、洗浄機の中には洗浄されたばかりの容器がある。容器の色や形は異なっている。

スーパーに売っている鳥の胸肉は100g当たり59円で、ブラジル産の鳥のもも肉がセール中の時は100g当たり54円になる。だけど今日はセールがないので胸肉をかう。数ヶ月のほどほぼ同じ食材しか食べていないので今日はもやしも混ぜて食べようと思い、もやしも買うとこにする。

1口サイズに切った胸肉ともやしが私の小さいフライパンの中に入る。もやしが水分を含んでいる分、いつもより加熱される速度が遅い。フライパンの蓋が水滴でいっぱいになると蓋を開ける。耐えきれなくなった蒸気が私の顔を撫でる。私はアルバイトを思い出す。私は蒸気が肌に触れるとアルバイトを思い出す。私の周りには私より凄い人がいて、インターネットにはもっと凄い人がいる。赤い髪の人がいると、いいなと思う。

ラーメン屋に行くとよく目にした皿がある。アルバイト先で使われている皿もこの皿も、同じ会社から受け取っているのだろう。重たい陶器は壊れないように丁寧に重ねられる。スピードを求められるので素早く重ねられる。その両方を受け持つように重ねられる音を私は一生忘れないだろう。インターネットは辛いこともあるけど嬉しいこともある。私は、自分の事を好きでいてくれる人や、何となく周りにいてくれる人を大切にしたいと思う。時折、彼らに失望することもあるが絶対にその感情を出さないようにしている。特に窮屈ではないが、何度も書いたはずの漢字をかけなくなったような気持ちが私の中に溜まっていく。

夜遅くに失礼します。
3週間ほど働いて大学での部活とアルバイトの両立が難しいと感じており、ご都合が許す限り早く退職したいと考えています。
突然のご連絡となってしまいましたが、ご確認をよろしくお願いします。

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