7・『猫と不条理』
7・『猫と不条理』
㈠
確かに不条理だったよ、俺はどうかしてたんだ。結句、猫のほうは、猫のほうで、不条理だった。風の強い日に、ひゅーひゅーと、猫が鳴いているのを聴くほど、辛いことはない。
㈡
どうにもこうにも、猫と不条理と言うタイトルはお似合いで、俺は興ざめだったが、猫からしたら、俺のほうが、興ざめだろう。夜道を散歩、暇人じゃないか。
㈢
それでも、猫と不条理を書き始めたからには、書くしかないだろう。猫にとっては、普通の道だったんだ。当然の道だったんだ。驚いていたのは、俺のほうだったんだ。